まず、御用マスコミのストーリーを整理しよう。所属事務所社長が、歌番組出演や25周年コンサート開催などを懇願するも、メンバーは嫌がり、そんなトップの意向に沿わないキムタク以外の4名を“わがまま”と切り捨てている。キムタクや所属事務所は、グループの存続を希望しているものの、結局は草なぎ剛、稲垣吾郎、香取慎吾らが「解散」を申し入れ、中居正広も最終的に同意したことで解散になったというものだ。ファンのグループを存続してほしいとの声を無視したのはキムタク以外の4人となっている。
これでは、ファンがもっとも避けたかった解散は、キムタク以外の4人が主導したと言わんばかりの解釈である。しかし、そもそも、解散するまでに至った過程をさかのぼってみてみれば、所属事務所幹部からSMAPの担当マネージャーへのパワハラ的な仕打ちがあったかどうかである。結局、担当マネージャーは所属事務所を追われる。恩義のある担当マネージャーへのこの仕打ちにキムタク以外のメンバーの意欲は完全に削がれ、キムタクとの関係も悪化。事務所側はグループの存続を願っていたが、その結果、解散に至ったのだ。そもそも原因は所属事務所の体質にあるといえるだろう。
しかし、そこまで掘り下げるスポーツ紙やテレビ番組は皆無。あくまでキムタク以外のメンバーに“わがまま”な言動があり、そのまま修復することができずに、解散に至ったというストーリーに乗っかっている。これでは、悪いのはキムタク以外の4人と言わんばかりの報道だ。
御用マスコミの報道を振り返れば、全国民がドン引きした冠番組「SMAP×SMAP」のメンバーによる謝罪会見後でも、「これで一安心」と驚くような解釈を行って、「キーマンは草なぎ剛。彼の下手なギターがメンバーの不協和音を和らげる」など、今から考えれば信じられないようなノンキな記事もあった。
今回のSMAP騒動報道、今一度、冷静に見直す必要があるだろう。