新ネタを卸す単独ライブとしては初の全国ツアーになる本公演。9本の新作コントとVTRで構成されたDVDは、副音声コメンタリーも特典として入っており、大ボリュームの内容となっている。
今回は、大水と飛永にインタビューを実施。単独ライブのことはもちろん、今年も開催されるキングオブコントについても話を聞いた。
――昨年、ベストネタで全国を回りましたが、新ネタでツアーを行うのは初めてです。振り返ってみていかがですか?
飛永:結構不安はあったんですけど、どの地方も盛り上がってくれたので想像を超えました。特に歌って始まるコントだったので、元気にスタートできて良かったのかなと(笑)。
大水:地方によっては、最初に出た瞬間に歓声が上がったりとか、手拍子してくれたりとか、すごい盛り上がりました。
――本作をご覧になっていかがですか?
飛永:「いろんなタイプの大水さんが出てくる単独だなぁ」と思って、ちょっと胸焼けがしましたね(笑)。
大水:最終的に嫌な気持ちになってんじゃん(笑)。僕は、全体的に分かりやすくて見やすい単独(ライブ)だなって思いましたね。設定もシンプルなものが多いです。
――好きなネタは?
飛永:大水さんが映像で出る「ニュース」のネタです。僕が一人で舞台に立つ時間が長くて、不安はあったのですが、思いのほか笑っていただいて、ちょっと自信になりましたね。もし、大水さんが捕まって一人になったとしても、やっていけるなと(笑)。
――(笑)。
大水:僕は「ピザ」のコントです。ただ2人がピザを頼むってネタで、すごいシンプルで大きな展開もないけど、成立している……っていうのが好きですね。凝った設定をする芸人さんが多い中で、“何も起こらないネタをやっている”っていう部分が評価されたらいいなって思います(笑)。
飛永:まーねー。自分で言うとダサいけど(笑)。すごいことやっている気はするんだけどね。
――全国でライブを開催するのは、おふたりにプラスになったのでは?
飛永:「こんなところに僕らのファンがいるんだ」って思いはありますし、東京と地方で笑いの差はないんだなって感じました。前までは“東京は分かりづらいネタが好きで、地方は分かりやすい笑いが好きなのかな?”って偏見があったんですけど、東京でも受けるものは地方でも受けるんだなって安心はしました。
大水:あとは、YouTubeでネタを観てる人も多いから、免疫があるんじゃないんですかね。
――おふたりはYouTubeチャンネルを開設されましたよね。周囲の反応はいかがですか?
飛永:「待ってました」って声はありますし、自分たちではコアな笑いかなって思っていたものも視聴数が多くて驚いています。『エンタの神様』(日本テレビ系)の影響か、幅広い方に観てもらえるものをやっていたんだなって。
――YouTubeは、前々からやってみたかったんですか?
飛永:「お金が入るらしい」って噂はあって、やってはみたかったんですけど(笑)、どうやっていいか分からなかったんです。ウチの事務所の先輩である東京03さんが道筋を作ってくださったので(東京03もYouTubeチャンネルを開設している)、だいぶやりやすい状況になったのかなって思います。
――話は変わりますが、いよいよ、キングオブコントの季節がやってきました。ネタ選びは精査中ですか?
飛永:毎年考えていて「今年はこのネタだろう」って思っていたものが、あまりハマらないというか……。ここ5年決勝に行っていないので、もう対策が分からなくなって、今はあんまり意識していないよね。
大水:新ネタは作りますけど、「キングオブコントのために」って考えると頭が固くなってしまうので、あまりそちらを考えずに作って、面白かったらそれをやるし……くらいの感じですね。
飛永:5年前に決勝に行った時点で、(自分たちが)ベテランの雰囲気になっていたので、今もちょっとやばいんじゃないですかね。
大水:「おじさん出てきちゃったよ」ってなりそう。
飛永:去年優勝したハナコなんて20代がいますからね。ウチら36歳でおじさんだし、出た時点で「観たことあるよ!」って思われちゃうので、それを超えるネタを作らなきゃいけないのが難しいですよね。
大水:初めて決勝に出たのが2010年で9年前ですからね。
――準決勝と決勝では環境が違います。勝ち残った後でもネタ以外でいろいろなプレッシャーがあると思いますがいかがですか?
飛永:審査員にも我々の手の内がバレているので、そのラインの中でやるのか、裏切っていくかの判断にもなるでしょうけど、そういう駆け引きは疲れましたね(笑)。なので、今は好きなことをやって「ダメならダメ」って気持ちにはなっています。
大水:肩の力が抜けまくっていますね。
――飛永さんは渡辺謙さんが出演するコント特番『君は天才!〜渡辺謙がコメディーに挑戦!!』(NHK BSプレミアム、8月10日放送)に作家として参加されるそうですね。
飛永:前に単独ライブでお世話になった作家の細川徹さんに呼んでいただきました。キャスティングにも参加して「こういう人を使いたい」と話し合っていたり「若手俳優がいますけど、どうですか?」って売り込みがあったり「こうやってキャスティングって決まるんだ」って驚きましたね。
――収録にも参加されたそうですが、渡辺さんにはどんな印象を持たれましたか?
飛永:本当に気さくで、積極的に「こう変えたほうが面白いんじゃないか」っておっしゃってくださいました。ハリウッドスターなのに「全然イジってくれていいよ」ってオーラがあって、スタッフさんにもやりやすそうな雰囲気を作っていて、改めてすごいなと。
――放送を楽しみにしています。最後にDVDの見どころを教えてください。
大水:いろんな世代の人が楽しめるような分わかりやすいネタをそろえたつもりです。ぜひ家族で観てほしいなって思います。
飛永:冒頭で大水さんの歌唱力がどれくらいか分かるものになっているので「こんなもんか」って思ってもらえたら(笑)。
大水:今のマックスです!
飛永:コメンタリーもふざけまくっているので、そちらもぜひ観てみてください。
【DVD概要】
『ラバーガールLIVE「お前ら愛してるぜ」』
品番:SSBX-2663
価格:¥3,000+税
発売日:2019年7月24日発売
発売元:Contents League
販売元:ソニー・ミュージックソリューションズ
(取材・文 浜瀬将樹)