今回、そんな彼が書籍『SNSをポジティヴに楽しむための30の習慣』を発売したという。井上流のSNSの楽しみ方が掲載されている本書について、著者である井上に話を聞いた。
ーーこれまで、ポジティブカレンダーや恋愛に関する書籍なども多く発表されてきました。今回SNSに注目した理由は?
今って、SNSが生活になくてはならないものになったところだと思うんですよ。そんな中で、SNSのツールに引っ張られて、現実を楽しめていない人が多いような気がしたので、じゃぁ、現実を楽しめなくなる一端である「SNSの本来の楽しみ方ってなんなんですか? 見直してみましょうよ」っていう意味で本を出すことにしました。
ーー本にも書かれていますが、SNS疲れをする人が多い世の中で、そういった方々を助けたかったと。
そうですね。芸能人に限らず、SNSで余計な一言書いて炎上する……なんていっぱいあるじゃないですか。でも、もともとそんなことに時間を割く世の中じゃなかったんですよ。それって悲しいし、みんながみんなで不幸を探しているみたいな。もっとハッピーを探す世の中の方が楽しいのになぁと思って。
ーー読んだ方の感想はお聞きになりましたか?
「救われました」って声が多かったですね。僕がTwitterを始めた頃って、そんなに「いいね」を求める競技じゃなかったんですよ。どっちかって言うと、Instagramが始まってからなんですよね。だから、今の中高生って競技化されたSNSをやっているわけじゃないですか。そういう競技じゃない頃を僕は知っているから、その頃が楽しかったなと。
ーー井上さんのポジティブ思考はもともとあったものなのでしょうか?
明るい性格ではあったんですけど、子どもの時、おじさんと同級生がポンポンと亡くなった時に「人ってあっけなく死ぬんやな」っていうのを感じて、「生きている間に精一杯楽しむ人生の方がええな」って思ったのが、大きかったのかもしれないですね。
ーーポジティブでいうと、先輩の「この人のこのポジティブがスゴかった!」っていう話はありますか?
みんなすごいんですけど、でも、素晴らしいなって思ったのは(明石家)さんまさんですよね。楽屋にご挨拶行った時に、もう、“明石家さんま”なんですよ。(本名の)杉本高文の状態が分からないんです。「あ、この人ってほんまにスーパースターなんやな」って思いましたね。で、一番それを強く思ったのは、2011年に震災があった時ですね。数日間は軒並みバラエティーが収録を自粛していたんですけど、さんまさんが「やる」っておっしゃって、僕らも参加したんです。収録をしている時に震度5くらいの余震が来まして。その時、観覧でお客さんもいたんで、結構揺れて「キャーッ!」って悲鳴が上がったんですね。そしたら、さんまさんが「大丈夫! 大丈夫! さんちゃんおるとこ絶対安全」って言うたんです。もう、演者も客も全員拍手ですよ。「絶対安全やろな」って思えたし、この人ってすごいなって。もう、ポジティブとかネガティブっていう感情を超えてる……。自分もそういう存在になりたいですね。
ーー数年前より、SNSの悪口リプが減ったと思います。それは会見でおっしゃっていたように、ナダルさん(コロコロチキチキペッパーズ)やクロちゃん(安田大サーカス)の台頭が大きい?
僕が誹謗中傷受け始めた時は、僕しか(嫌われキャラが)いなかったですからね。僕はどちらかと言うと人工栽培ですけど、クロちゃんとナダルは天然ですから(笑)。天然に勝てない部分もあるし、年齢的に考えてそういうのを薄めていこうって考えた時だったので、ちょうど良かったかなって。40歳になる時に、嫌われ者まっしぐらで戦うのも良いとは思うんですけど、後に嫁が出来て、子どもが出来たっていう未来を考えた時に、それはしんどくなるかなって思ったんですよ。
ーーその「マイルドにしよう」と思ったのは、大きなキッカケがあったんですか?
結局、別れちゃいましたけど、結婚しようと思ったのが一番です。前の彼女と結婚したかったんで、結婚するってなったらその彼女のことも考えて、やっぱりちょっとね。
ーー最後に本書の見どころを教えてください。
SNSをやっている人もやっていない人にも「SNSってこういう楽しみ方があるんや」って改めて伝えられる本やと思います。読んでいて「楽しめる」と思ったら最後まで読まなくてもいい(笑)。結局、世の中の人がSNSを楽しめるのであれば、この本が世に広まらなくてもいいんです。ただ、今はそういう現状じゃないような気がしますし「私は楽しんでいるけど、自分の周りで楽しめていない人がいるな」と思ったら勧めてあげてください。
(インタビュー終わり)
『SNSをポジティヴに楽しむための30の習慣』(ヨシモトブックス)
著者:井上 裕介(NON STYLE)
価格:1,296円
全国書店、ネット書店で発売中!
(取材・文 浜瀬将樹)