「侍ジャパン」のメンバーは若手中心で、対戦相手は野球後進国の欧州代表とあって、注目度は低く、観衆(主催者発表)は第1戦が2万1267人、第2戦が2万3132人と、いずれも約5割の客入りで閑古鳥が鳴いた。
それ以上に深刻なのは、地上波テレビが離れたことだ。第1戦はTBSが午後7時から2時間枠で放送し、BS-TBSがトップ&リレー中継した。視聴率は7.2%(数字は以下、すべて関東地区)と散々なものだった。第2戦はどこも地上波がつかず、BS-TBSでの中継となってしまった。
こうなることは、予想はできていた。昨年11月に開催された「日米野球シリーズ」は壮行試合、親善試合を含め全8試合が行われ、すべての試合が地上波で放送されたが、視聴率は最高で9.0%。ただの1試合も2ケタに乗ることはなかった。
ロビンソン・カノらのスーパースターを招いての日米野球でも、この視聴率だったわけだから、各局が二の足を踏むのもいたしかないところ。
常設化された侍ジャパンは昨年11月に、NPBエンタープライズとして法人化されるなど、強化もさることながら、独自の収益を上げることを目的としている。
掲げている目標は4年総額40億円だが、今後も地上波離れが加速すれば、入ってくる放映権料、スポンサー料もグッと減って、ノルマ達成はおぼつかなくなってしまう。
スター選手を集めれば、事態も変わるだろうが、各球団とも、開幕前の重要な調整時期に主力選手を派遣したくないのがホンネ。目算が外れた侍ジャパンの憂うつは続くことになりそうだ。
(落合一郎)