また「生まれつき茶色い地毛を、学校から黒染めするよう促された経験があるか」という質問では、13人に1人の学生が学校から地毛の黒染めを促された経験があることが分かった。
中高生の「黒染め」の問題と言えば、2017年に大阪府で起こったいわゆる「黒染め訴訟」を思い出す人も少なくないのではないか。府立高校の元女子生徒が、生まれつき髪が茶色いのに、校則にのっとって学校側から黒染めを強要され、不登校となったとして府に対し220万円の支払いを求め提訴した事件である。この訴訟は日本のみならず、英BBSなどの海外メディアも報道し、当時、世間をにぎわせた。
この訴訟以外にも学生の髪型が問題となった事件はある。
2014年、兵庫県で当時高校1年生の女子生徒がアルバイト先のスーパーマーケットで、生まれつき髪が茶色いにもかかわらず「黒髪にするか辞めるかを強要」され、女性生徒が店側に対し慰謝料など60万円の損害賠償を求める裁判を起こした。これを受け、神戸地裁姫路支部はアルバイト先に対し、慰謝料として33万円の支払いを命じた。また、2012年、長崎県の中学校では、当時中学2年生の女子生徒の前髪が長いという理由で教師が強制的に女子生徒の髪を切り、校長や教育委員会が保護者と生徒に「配慮が足りなかった」として謝罪した事例もある。
冒頭の調査を受け、ネット上では多くのコメントが寄せられた。「私も地毛でよく生徒指導に捕まってたなぁ…。親がこの子の髪の毛は遺伝で染めてませんって先生に怒ってた」「地毛が真っ黒じゃない子にカラーリングを強要するのは差別」「前髪を眉が見えるように切ってないからという理由で進学書類を作って貰えなかった。進学のチャンスを逃した」「髪型ひとつ、髪色ひとつで人の性格がわかるのかよ」と、髪の校則について違和感を覚える声が多く上がった。
一方で「赤や金の髪色にそんなにしたいの?学校のイメージ悪くなったら進学も就職も不利になると思うが」「企業の宣伝に乗せられているだけ」「まじめに髪校則を守っている人の足を引っ張る」「髪校則の次は…ってどんどん校則が差別だって糾弾されていく気も。それはそれで変じゃない?」といった意見も見られた。
平成ももうすぐ終わり次の時代を迎える目前、髪の色を含め、学校の校則を見直す契機となるのだろうか。