神の子にDREAMの命運が託された。
昨年大みそか「Dynamite!!」以後、総合格闘技のリングで試合をしていないKID。山本ファミリーのジム開きや3月に主戦場だったHERO'SがDREAMになったことも相まって、実戦の舞台から遠ざかっていた。
当初からKID自身は6月か7月参戦を熱望しており、5・11「DREAM.3」の興行内で「DREAM.4」に参戦することが発表されていた。しかし、フタを開けてみればこの日の会見で6・15「DREAM.4」ではなく、なぜか7・21「DREAM.5」に参戦することが決まった。
笹原圭一イベントプロデューサーによれば、あくまでKIDの初参戦が延期になったのは「対戦相手が決まらなかったから」とのこと。それに加えてKIDが万全のコンディションで闘うことを考慮したことから、やむを得ず「DREAM.5」になったという。だが、KID参戦についてはほかにも事情があるという。DREAM関係者が言う。
「KID選手の参戦に関していえば、視聴率のことがないと言ったらウソになるでしょう。TBSのゴールデンでの当日放送がない『DREAM.4』より、21時からのゴールデンタイムで放送される『DREAM.5』の方が良いですから。ましてや今後のこともありますから、(視聴率が)ひと桁ってわけにはいかないので、KID選手には期待してますよ」
とはいえ、当のKIDはお構いなし。DREAM軽量級(フェザー級)の第一戦から米WECフェザー級王者ユライア・フェイバーが送り込む刺客でMMA全7戦、いまだ負けなしという猛者ジョセフ・べナビデスと対戦するというにもかかわらず「アメリカの強いヤツとやれるのってうれしいよね」と感慨深げ。
また、日本人フェザー級の対抗軸と目される所英男から挑戦表明されたことにも言及し、「所選手とはチャンピオンになったらやりたいって思うけど、いまやる必要ない」と余裕しゃくしゃく。
満を持して動き出すKID。これまでフェザー級の主役とされてきた神の子は同階級のみならず、DREAMの期待を背負って初戦に打って出る。