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コンプガチャ廃止でDeNA球団の補強に暗い影

 今年から親会社がDeNAに変わったベイスターズ。選手より、中畑清監督が一番目立つチームは、5月10日現在、31試合9勝18敗4分けの借金9で“指定席”の最下位にどっかりと座っている。

 そんななか、球団にとっては不安なニュースが飛び込んできた。5月9日、携帯電話などで他の利用者と遊ぶ「ソーシャルゲーム」を運営しているディー・エヌ・エー(DeNA)を始めとするグリー、ミクシィ、サイバーエージェント、ドワンゴ、NHNジャパンの6社が、コンプリートガチャ(以下、コンプガチャ)と呼ばれるアイテム商品の仕組みを5月末で廃止する方針を明らかにしたのだ。

 これは、消費者庁から景品表示法に抵触する可能性を指摘されたためで、まず自社制作のゲームでの提供を中止。提携するゲーム会社にも早期廃止を働き掛ける。DeNAなどにゲームを提供しているKLab(クラブ)(東京)も、5月末でコンプガチャを終了すると発表した。DeNA・守安功社長は同日の決算記者会見で、「ただちに現行法に違反するとは考えていないが、社会的に問題提起されている」と廃止の理由を話した。

 「ソーシャルゲーム」は、オンライン上で他人と交流しながら遊ぶのが特徴。利用者はゲームに使う武器などアイテムを購入するが、くじで希望するアイテムが当たらないこともある。複数アイテムを揃え、「コンプリート(完全)」にすると、強力な「レア(希少)アイテム」が手に入るため、多額の資金をつぎ込む問題が発生。消費者庁は、景品表示法で制限されている「懸賞」に当たるとしている。DeNAでは「ワンピースグランドコレクション」「ガンダムカードコレクション」などが有名。

 DeNAら6社は消費者庁とも協議し、コンプガチャの廃止基準を近く策定。ゲーム制作会社にも基準に従うよう協力を求める。守安社長は「どう改修を加えればOKか。業界標準をつくっていきたい」と語った。

 DeNAが同日発表した12年3月期連結決算は、売上高が前期比29.3%増の1457億円、純利益は9.1%増の344億円で、いずれも過去最高を更新した。しかし、主力商品でもあるコンプガチャを廃止することで先行きは不透明となる。その影響について、守安社長は「業績が1年前の水準を下回ることはないのではないか」との見方を示した。

 現在、DeNA球団の支配下登録選手は69人で、1枠が残っている。現状打破のため、この1枠を利用して補強に乗り出す可能性は十分だが、コンプガチャ廃止の不安感から、親会社が渋チンになって、満足な補強ができなくなる恐れもありそうだ!?。
(落合一郎)

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