結成わずか4か月の男女コンビ・ゆにばーすから、この日の芸歴最長(19年)のスパローズまで、幅広い顔ぶれが勢ぞろい。昨年決勝舞台を踏んだオジンオズボーンは、おなじみの“すべりんぞう”キャラを進化させ、エルシャラカーニは堂々めぐりの混乱漫才をグレードアップ。安定感と風格を漂わせた。
そんななか、5名の審査員投票でトップに輝いたのは、キャリア9年の風藤松原。2位は、プロデビューわずか1年のスパナペンチとなった。
これまで、優勝と無縁だった風藤松原・松原義和は、「人生で1位になったの、初めて」と動揺。「今日来るとき、とんかつ食ってきた」(風藤康二)のが、地味ながん担ぎになったか!? 風藤は、「われわれ太田プロなんですけど、近所にサンミュージックがあって。うちの社長は、『キングオブコント』をかもめんたるに持っていかれたって怒ってて。(同コンテストで7位に終わった)アルコ&ピースは、ド下ネタやるし…。これはわれわれがしっかりしないと」と、背水の陣だったことを明かした。
いっぽう、2位のスパナペンチは、学生芸人によるライブ『わらいのゼミナールライブ』で実力を発揮し、『学生HEROES!漫才を愛する学生芸人No.1決定戦』で優勝。その模様は、テレビ朝日系『学生才能発揮バラエティ 学生HEROES!』で追跡されていたこともあって、コアなお笑いファンから注目されていた。ともに、早稲田大学在学生。根暗で「人と遊びに行ったことがない」永田敬介は、「次は大阪なんで不安。どう(浪速の笑いに)寄せていけばいいのか。ぶっちゃけ、決勝行きたいんで」と無表情ながらも、アツい思いを口にした。
その大阪大会(10月27日、なんばグランド花月)が、本戦サーキット2戦目。キングコング、ジャルジャル、千鳥、NON STYLEといったメジャーファイターたちが、笑いの総本山で頂を競う。(伊藤雅奈子)