2年目となる栗山英樹監督(51)の下、新布陣はヘッドコーチ・阿井英二郎(新任=48)、投手コーチは黒木知宏(新任=38)と2軍から昇格の島崎毅(45)、バッテリーコーチ兼捕手・中嶋聡(留任=43)、打撃コーチ・渡辺浩司(留任=49)、内野守備コーチ・三木肇(留任=35)、外野守備走塁コーチ・大塚光二(新任=45)、コーチ兼外野手・稲葉篤紀(新任=40)となった。
福良淳一ヘッドコーチ(52)、吉井理人投手コーチ(47)、清水雅治外野守備走塁コーチ(48)が退団。田中幸雄打撃コーチ(45)は2軍に回り、芝草宇宙投手コーチ(43)はチーム統轄本部アマスカウトに異動した。優勝したチームの首脳陣が、これだけ大幅に入れ替わるのは異例のことだ。
新布陣で大きな不安要素となるのが経験不足。新任の阿井コーチ、黒木コーチ、大塚コーチ、選手兼任の稲葉コーチはいずれも指導経験がない。留任したコーチも経験豊富とはいえず、いわゆるベテランの“重鎮”的なコーチが一人もいないのが気がかり。
そして、首脳陣全体を見渡して、現役時代、大きな実績は残したコーチが少ないのも懸念材料。新任の阿井コーチは144試合17勝4セーブ、大塚コーチは466試合193安打。留任の渡辺コーチは270試合156安打、三木コーチは359試合59安打、昇格の島崎コーチは197試合20勝28セーブと、ハッキリいって“小物”ばかり。2000本安打(2012本)を達成した田中コーチの代わりを、今季2000本安打(2096本)に到達した稲葉コーチが担うことになりそうだが、まだ現役バリバリの稲葉コーチはプレーヤーがメーンになるだろう。
名選手が必ずしも名指導者になるとは限らないが、正直、指導経験も乏しく、実績不足の新首脳陣には貧弱さを感じざるを得ない。果たして、このメンツで大丈夫なのだろうか。大いなる不安がつきまとう。
(落合一郎)