ラミレスベイスターズの開幕時の目標は「背番号と同じ80勝してリーグ優勝」だった。しかし、カープが独走状態で優勝を決め、目標は夢と散ると「プランBの2位を狙う」と修正。そして、10月2日のスワローズ戦に敗れたと同時に、「プランB」の2位も消えてしまった。指揮官は3度目のプラン変更で、なんとしても3年連続のクライマックスシリーズ進出をターゲットとすることとなった。
☆ジャイアンツとのデッドヒート
CS進出の3位争いのライバルはジャイアンツ。4日のカープ戦と9日のタイガース戦の2試合を残すのみで、更に試合間隔も空くため"絶対エース"の菅野智之が両方に先発することが予想される。9月28日の直接対決でも鬼神のような迫力で、ベイスターズ打線に得点を許さず完封して見せた。特にピンチの際の"ギア"の上げ方は、まさにエースのピッチングだった。
しかし、ベイスターズは最大で借金が13もあったチーム。9月13日時点でも借金12を抱えていた。対するジャイアンツは8月25日には借金1まで減らして、スワローズと2位争いをしてきたチーム。それがあれよあれよと追いつき追い越され、今やデッドヒートを繰り広げている。ラミレス監督も一戦一戦を、短期決戦のような用兵で、勝ち星を拾って来た。
☆痛い連敗
しかし、この正念場でスワローズに連敗を喫してしまった。打線が金縛りにあったようになり、度々チャンスを潰す悪循環に陥り、CSクリンチでは不利な状況が更に悪化してしまった。だがまだ、自力進出は残っている。予期せぬ事態の続いたシーズン、集大成の4試合に全勝すればCSのキップを掴むことができる。
神宮の杜を青く染めたファン達は「まだ諦めてないぞ!」とクラブハウスに引き揚げるベイスターズ戦士を鼓舞していた。ファンは信じている。不器用で、カッコ悪くても。
取材・文・写真 / 萩原孝弘