サマースプリントシリーズ全5戦中、なんと4戦に参戦したシンボリグラン。今夏は以前のように掛かって自滅のシーンはなく、2着2回という安定した成績を残した。長らく不振が続いていた1400〜1600メートルから、舞台をスプリント戦に戻したことで、眠っていたスプリント能力を再度、呼び覚ました格好だ。
とくに、前走・セントウルSは歴戦のスプリンターがズラリとそろったなか、スズカフェニックス、ファイングレインの両GIウイナーに先着。最後は勝ち馬カノヤザクラの決め手に屈したが、それでも0秒2差2着と完全復活を印象付けた。
今朝は厩務員に引っ張られながらWコースに登場。例によって馬場入りを少し嫌ったが、走り出してからはスムーズそのもの。使い詰めを感じさせない柔らかいフットワークで、一気にゴール板を駆け抜けた。充実度の高さを示すように、動き、気配は満点に近い。
いつも通り記者席で追い切りを見届けた畠山吉師は「終い追ったので、時計は速くなったが、一時の勢いを取り戻した感じ」と満面の笑み。他の有力馬に比べ、使い詰めできている点についても「速いペースのキャンターを乗っていても、カイ食いはまったく落ちない。とにかく、元気だけがとりえ。予定通りにこられた」と気にするそぶりはなし。2年前の高松宮記念で1番人気に推された素質馬が完全に勢いを取り戻した。