まあ、いろんな事情もありそうだが、実際には偽装結婚には、たくさんの闇が存在する。
風俗に勤める中国人女性の在留延長のため偽装結婚したことのあるA氏(仮名、47歳)はこんなことを言う。
「女性が体で返す偽装結婚の費用170万円ほどのうち、50万円くらいはもらえたんですが、実際に少し一緒に住んで、家財道具もそろえておいて、近所にわざとらしく挨拶回りに行ったりもするんです。必ず当局が調べに来ますから、後からが大変です」
また、A氏は、もっと恐ろしい目にも遭った。
「組織は、ことあるごとに、しゃべったら…わかってるな、と脅してきます。何かにつけ、彼らに呼び出されて、こってり財布まで絞られるのです。オレと同じことに足を踏み入れた仲間で奴らの逆鱗に触れ、新宿のファミレス店内で腕の骨を折られたやつもいました」
ちなみにA氏と風俗嬢との間には、あくまで契約である、という理由で体の関係はなかったそうだ。
そもそも憎むべき犯罪とはいえ、偽装結婚はいろいろと割に合わない仕事でもあるようである。