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エリザベス女王杯 特捜班出動 復調著しいレインダンスが穴をあけるぞ

 ウオッカとダイワスカーレット。力の突出した女傑が不在の「第33回エリザベス女王杯」(GI、京都芝2200メートル、16日)。さらに調教のやりすぎが懸念されるカワカミプリンセスに、今年のオークス馬トールポピーも回避するなど、にわかに波乱の気配が漂ってきた。そこで特捜班が注目したのが穴女レインダンスだ。昨年の秋華賞では7番人気ながらウオッカに先着して2着するなど、しぶとい末脚が持ち味。一時の不振を完全に脱出し、デキも上々だ。

 大穴特捜班の嗅覚がピクピクと反応しだした。12日午後、有力馬の一頭、トールポピーの出走回避が突然発表された。巻き返しが期待された今年のオークス馬の鼻出血。報道陣が集まり騒然とする角居厩舎の脇を通り、特捜班はある厩舎を目指した。
 にわかに高まる波乱の予感。穴を出すならこの馬しかいないと、目をつけていた馬に会いに行った。昨年の秋華賞、ダイワスカーレットの2着に食い込み、ウオッカ、ベッラレイアに先着したレインダンスだ。
 宮調教師の柔和な笑みを見て、自信は確信に変わった。「今は完全にいいころの状態に戻った。これなら期待できる」
 長く続いた不振をようやく脱した。「夏場は元気がなくて、小倉記念の後に思い切って放牧に出したのが良かった。それが前走の好走につながった」。その府中牝馬Sは0秒4差4着。3月の中山牝馬Sから小倉記念まで実に5戦連続ふたケタ着順が続いたが、もう心配ない。
 「前走も自分から勝ちに行った4着だから評価できる。ケイコから息遣いが随分良くなってきたからね。これなら胸を張って送り出せる」とうなずいた。
 トレーナーがご機嫌な理由はこれだけではない。もう一頭のコスモプラチナも絶好調なのだ。オープン昇格後の2戦はいまひとつだが、「気性が勝っていてスローだと折り合いが難しい。その点、今回はレインダンスが思い切った競馬をするから流れは速くなる」
 2頭でワン・ツー?そんなぜいたくな質問に、師はまんざらでもない顔で「ひと泡吹かせるつもりだよ」と笑った。
 ウオッカもダイワスカーレットもいない。カワカミプリンセスも調教のやりすぎが懸念されている。やっぱり、波乱、いや大波乱の可能性は十分。特捜班はほくそ笑みながら、宮厩舎を後にした。

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