23日の甲子園でのタイガーズ戦の初戦、9回2アウトから筒香嘉智が同点打を放ち執念の引き分けが、この連戦での戦いを勢いに乗らせた。続くゲームは、復調気配の濱口遥大が好投し、3戦目は、逆に開幕から絶好調だったが、勢いに陰りが見えてきた今永昇太が、一転調子を取り戻し完封勝利。2勝1敗の負けなしとなった。
名古屋に乗り込んでのドラゴンズ戦の初戦は、サイドスロー右腕の平良拳太郎の好投と、筒香の久々の2ランで僅差のゲームをものにした。次戦は、相手先発の松坂大輔を初回に火だるまにし、先発復帰の石田健大も好投で、投打で圧倒的な勝利を挙げた。最終戦こそ、先発に支配下登録されたばかりの2年目の中川虎大を抜擢したが、残念ながら期待には応えられず敗戦投手に。しかし、カードは2勝1敗の勝ち越しとなった。
この間の戦いぶりは、投打が噛み合い、理想的な状況が続いた。23日の6連戦初戦から延長12回の死闘を繰り広げ、次々ピッチャーをつぎ込む状況となったが、次戦は濱口が7回まで踏ん張り、中継ぎを休ませると、25日は打線が9回に4点を取ったことで今永が完封し、クローザーの山崎康晃まで休ませることに成功。その為、移動日なしの26日のドラゴンズ戦の初戦には、リフレッシュされたブルペン陣をつぎ込むことが可能になり、じりじりする投手戦を制すことができた。27日は初回から打線が爆発。2回までに12得点し、先発石田を5回で降ろし、勝ちパターンのピッチャーを休ませると同時に、登板間隔の開いているピッチャーを投げさせ、打線も筒香、ホセ・ロペス、ネフタリ・ソト、宮崎敏郎の“BIG 4”を早くから交代。本格的に暑くなる季節に備える作戦を取ることができた。
火曜日からはすっかりお馴染みとなり、チケットもあっという間にソールドアウトとなる人気イベント「YOKOHAMA STAR NIGHT」が行われる。昨年のSTAR NIGHTは、ジャイアンツ相手に屈辱の3連敗を喫し、結果的にはジャイアンツとのCS進出争いに敗れる元凶となってしまった。今年は、遠征での勢いそのまま、スワローズ相手に青く染まる満員の横浜スタジアムで会心の勝利を挙げ、週末のジャイアンツ戦に向けて気勢を上げたいところだ。
写真・取材・文 / 萩原孝弘