東京大神宮は、明治13年(1880年)に、伊勢神宮の遙拝殿として創建された。「東京のお伊勢さま」として親しまれ、「結び」の働きをつかさどる神様もまつられている。日本で最初の神前結婚式が行われた神社であり、恋愛の成就や、幸せな結婚を祈願する女性たちの参拝が多いことでも知られている。
東京大神宮では、願いごとを書き込んだ半分を奉納し、もう半分をお守りとして持ち帰る恋愛成就の「結び札」を授与している。神職の唐松義行さんによると、お守りを分かち合えるので、神様とのつながりをより強く感じられることから、特に人気があるという。
七夕の当日は朝から多くの人が短冊を奉納したり、お守りや絵馬を受けていた。毎年夏になると境内には「ドライミスト」と呼ばれる冷却装置が設置される。「ドライミスト」とは、ヒートアイランド現象の緩和のために開発されたもので、高圧で水を霧状にして噴射し、気化熱の原理で気温を下げる装置。この霧の涼風の中で、おみくじに見入る女性の姿が目立った。
また、東京大神宮では、創建日の4月17日にちなみ、毎月17日を「縁日」とし、参道をろうそくで照らす「キャンドルナイト・Tomoshibi」を行っている(雨天中止)。ろうそくのほのかな灯りに照らされた境内は幻想的な雰囲気で、多くの参拝者でにぎわっている。(竹内みちまろ)