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3・11フィリーズレビュー(GII)注目馬アストンマーチャンを栗東キャップ・谷やんが“丸裸”

 大注目の先週のチューリップ賞は下馬評通り、歴史に刻む名勝負となったが、クビの着差以上に強烈なインパクトでウオッカが当面のライバルと目されていたダイワスカーレットを撃破した。
 東京では、いまだ積雪が観測されず、こちら栗東も4月下旬並みの20度を記録したほど地球温暖化は深刻さを増すばかりだが、4月8日を待ちきれず、ひと足お先に咲き誇った女王の華は「桜はあの馬でしょうがない」という称賛の嵐に包まれている。
 もっとも、そんなウオッカ楽勝ムードに支配される中、「現時点での力差は分からないが、昨暮れの時点では枠順や展開、競馬の運、不運でひっくり返せる差だったと思う。あの馬も成長しているが、ウチのもそれ以上に成長しているかもしれないからね」と血気盛んに語るのは快速アストンマーチャンの石坂師だ。
 くしくもスカーレットと同じクビ差で女王の前にひざまずいた阪神JFから3カ月。当時のショックを引きずることなく、あらためて挑戦状を叩きつける。無論、開業以来、順風満帆に勝ち星を積み重ね、いまや西では押しも押されもしないトップトレーナーの一人として、その名が挙がる師が、ここまで言うからには確固たる成長の証しが厳然とある。
 それは休養を挟むたびに、「この馬には驚かされる」と語る驚異の成長力だ。昨夏の小倉2歳S勝ち後の休養では、「回転の速いフットワークに伸びやかさが加わった」と走法が進化。そして、今回の休養では、「この前計ったら馬体が472kg(前走時460kg)とかなり増えていた。今までの感じなら、輸送で減っても4kg以内」。当然、太めか成長分かを突っ込みたくなるが、師は自信を持って後者であると断言する。「坂路は少々太くても走れる馬が多いが、とにかく元気が有り余っている感じで素軽く走ってくる。着実にパワーアップしているよ」。マーチャンは男勝りのウオッカに迫らんばかりのたくましきアマゾネスに変貌を遂げている。
 さらに、舞台は違えど1400mといえば、後のクイーンCの覇者イクスキューズを持ったままで5馬身ちぎり、従来のレコードを0秒9更新。「最も強い勝ち方をした」ファンタジーSと同じ距離である。あらためて女王に挑戦状を叩きつけるためにも、適鞍を得たここは圧勝のパフォーマンスが必須条件となる。
 「とりあえず、ウオッカうんぬんは本番の話。とにかく、ここできっちり結果を出さないことにはね。全力投球だよ」
 ご存じの通り、そのネーミングは高級スポーツカー「アストン・マーティン」からの由来。世界に名だたる名車に“アイドリング”は不必要。暖冬で早、つぼみ膨らむ(?)仁川のチェリーストリートをアストンマーチャンが爆走する!!

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