「うるせー、ハナタレ小僧!」「ガタガタ言ってるんじゃないよ、おっさん!」。2人のベテランレスラーの怒号が飛び交った。決して泥酔したサラリーマンと不良が街で言い争いのケンカをしているワケではない。5・2後楽園ホールで行われるIWGPヘビー級選手権に臨む両者のやり取りだ。
王者の“ミスターIWGP”永田と挑戦者の越中が出席した調印式。開始時刻となった午後4時、会場となった新日プロ事務所には永田の姿のみ。調印式の1時間前から会場に到着していた永田は、一向にやってこない挑戦者の越中を待ちながら「オレより10歳も年上なのに、いい年こいて時間通りに来ないなんて本当の侍じゃないな」とイライラを募らせていた。
それから15分後、ようやく“侍”越中が“重役出勤”で登場。永田が「オイ、おっさん、遅れてきたんだから謝れバカ!」と語りかけると、越中は「おっさんだとぉ?ガタガタ言ってんじゃねー。オマエ長州に同じこと言えるのか」と、なぜか長州を引き合いに出して逆ギレ。いきなり座っていた永田に飛び蹴りした。
奇襲は未遂に終わったものの、その後の会見では両者ともうっ積した怒りを爆発させた。越中が「うるせー、ハナタレ小僧!」と言えば、永田は「ガタガタ言ってるんじゃないよ、おっさん!」とまるで“中学生レベル”の水掛け論を展開した。
遅刻してきたにもかかわらず“オラオラ状態”の越中に永田はガマンならなかった。