ただ、正直、2強の優劣をつけるのは悩んだ。TRのローズS。レジネッタはパドックでフケの兆候が見受けられながらも、マイネレーツェル、ムードインディゴと息をのむデッドヒートを繰り広げた。一方、トールは6着。この一戦をどう受け止めるか。ローテーション的には、オークス以来の実戦となったトールに対して、クイーンSをひと叩きしたレジネッタにアドバンテージがあったことは確かだが…。
「正直、八分の仕上がりでも勝てると思っていましたが、そんなに甘くはなかったですね。でも、乗り味は抜群でしたよ。バネがあって体も柔らかい。感触は春よりすごく良かった」と、トールの池添騎手は結果とは裏腹に手応え十分。また、レジネッタの藤原助手も「やっとこの馬らしいチャカついたうるささが出てきた」とエビス顔。両者、本番へ自信を深めるなか、記者は最終的に“確実性”を優先した。
季節はずれ(?)のフケの兆候が見られたレジネッタは、その周期予測が難しい。一方、休み明けを叩かれ、心身ともに研ぎ澄まされたトールポピーに死角は見当たらない。ようやく究極の選択に答えが出た。
「カイ食いの心配があった春はケイコをビシッとやる時でも怖々だったけど、今は本数や速い追い切りもこなせるようになった。中間も、前走のダメージもなかったからメリハリのある調教を何本も入れられた」(角居師)
体調面のほかにも、トール陣営は今回、ちょっとした工夫を凝らす。
「前回は舌がハミを越したりして、アッチコッチへ走っていたから、本番では鼻革を着ける。(池添)謙一クンがまたがってくれた今週の追い切りでキッチリ、スイッチが入るでしょう」
ここ目標に寸分の狂いもなく仕上がったトールポピーが、ゴール板を鮮やかに突き抜ける。