重賞競走の賞金加算の関係から“力のある1勝馬”というのは昔から存在した。伏兵視されるGレースで時々2着3着に来て印象づけるが、勝って然るべきオープン特別ではどういうわけか掲示板すら外してしまう…◎タケミカヅチもその類だった。
昨春のダービー卿で1年8か月ぶりに2勝目を挙げてイメチェンしたかに思えたが、不運にも股関節の不調で約一年の長期休養。復帰した今年の2戦はともに着外だったものの長休明けを考慮すれば内容は悪くなく着実に上昇カーブの途上にあると言える。前走の京王杯SCでは好スタートを切ったにもかかわらず意識的に位置取りを下げてしまい、終い伸びてはいたが如何せん前残りの流れ、8着にとどまった。しかしながら淀むところのない超高速決着の中で自身も33秒前半の上がり。見どころ十分の内容だった。今回がいわゆる休み明け3戦目、中間の調整も上手く運んでおり走れそうなムードが漂う。2ハロンの距離延長は全く問題ない。1400を使ったことで”行き脚”が違うこともあり今回はスッと好位に付けての競馬が出来るだろう。実力の拮抗したメンバーだが、ロスなく流れに乗れれば勝ち負けに持ち込める。5歳のオープン馬としては遅い3勝目に期待したい。
【馬連】流し (5)軸 (2)(3)(8)(14)(15)(16)
【3連単】2頭軸マルチ (3)(5)軸 (2)(14)(15)(16)
◆CBC賞(京都10R)
前走のヴィクトリアマイルで直線で伸びかけて一瞬ながら見せ場は作ったワンカラット。さすがにブエナら超A級馬には及ばなかったものの着差は0.1。このメンツなら間違いなく力量上位だ。問題は1600→1200の距離短縮。2年近く6ハロン戦への出走がなく、速い流れへの対応がカギになる。スタート直後の前半に置かれてしまうと流れに乗れぬまま…それが懸念材料ではあるが、そんな不安を払拭してくれるほど前走の内容は良かった。期待を込めて再びの◎。射止めるまで何回でも追いかけないと(笑)。今週は1200の競馬を意識してだろうが、珍しく坂路で追い切った。木曜追いでレースまでの間隔を詰めている点にも注目。そのあたりの陣営の工夫が好結果に結びつくような気がする。
【馬連】流し (8)軸 (2)(4)(6)(9)(10)
【3連単】2頭軸マルチ (8)(9)軸 (2)(4)(6)(10)
<プロフィール>
仲町通(なかまち・とおる)
在京スポーツ紙の競馬記者として美浦・栗東トレセンに足を運ぶこと20年。厩舎関係者への綿密な取材の下、穴党として数多くの万馬券ヒットの実績を持つ。この春、フリーとして転身。本名非公開。
※出馬表などのデータは、必ずJRA公式発表のものと照合し確認してください。