<4月22日 明治神宮野球場/30579人>
満員札止めの神宮球場に、頼もしい助っ人がベイスターズに帰ってきた。昨年球団史上初の、外国人2桁勝利を挙げ、バッティングでも3ホームランを放つなど、日本シリーズに勝ち進む原動力となったウィーランド。今年は右ひじの故障で出遅れたが、昨年3勝で負けなしのスワローズ戦で戦列復帰。好調のチームに更に追い風となるグッドニュースだ。
そのウィーランドの立ち上がり、2016年マリナーズでチームメイトだった青木にヒットを許すと、坂口にもファースト頭越えのヒットでノーアウト1-3塁のピンチを迎えてしまう。しかし、そこから山田、バレンティンを連続三振、雄平もセカンドゴロで無失点に切り抜けると、145キロ前後のストレートと、スライダーを中心にテンポよく低目に集め、すいすいと危なげなく5回まで被安打3の快投を披露。
しかし6回、坂口へフォアボールの後、盗塁を許し、山田は三振に仕留めたものの、ツーアウト2塁のピンチを迎え、バッターはバレンティン。一発だけは避けなければいけない場面だったが、高めのボール球を左中間スタンドに放り込まれ、2点を献上。先取点を与えてしまい、この回で無念の降板となった。本人も「全体的に状態は良かった。しかし、バレンティンに打たれたホームランが悔やまれる」とコメントした。
敗戦投手となってしまったが、6回を投げ、100球、被安打4、奪三振5、フォアボール1。故障明けの一軍マウンドでのクオリティスタートは、当然合格点をあげて良い内容。ラミレス監督も「良いピッチング。スピード、テンポ共に良かった」と語り、その言葉には次回以降の登板への期待が込もっていた。
出遅れていた昨年の二桁勝利トリオも、一軍のマウンドへのスタンバイが整って来た。今永昇太は来週の広島戦で、浜口遥大も5月中には復帰予定。長いイニングを任せられるピッチャーの復帰は、フル回転のブルペン陣にとっても朗報だ。盤石の投手陣で、20年ぶりのリーグ制覇へ加速する。
取材・文 ・ 写真/ 萩原孝弘