同館によると、明治41年に開通した国鉄青函航路で、羊蹄丸は昭和40年に就航。63年3月13日の最後の上り旅客便(青森〜函館)でその役目を終えるまで、本州と北海道を結ぶ連絡船として利用者に親しまれてきた。
お台場にやってきたのは引退後の平成8年。船内をぐるっと見学できるほか、昭和30年代の青森駅の情景が再現されており、年配客らを「懐かしいわねえ」と喜ばせている。
同館前の水域にはもう一隻浮かぶ。初代南極観測船「宗谷」だ。船名が示すようにこちらも北海道と縁があり、宗谷岬と樺太に挟まれた宗谷海峡にちなんで命名。太平洋戦争中はミッドウェー海戦などに参戦した。昭和31〜37年まで6次にわたって日本初の南極観測船として活躍したのが有名で、観測隊員居住区や食堂などが当時の様子をしのばせる。操舵室ではパノラマ映像を楽しめる。
開館時間は午前10時〜午後5時。月曜休館。入場料は大人700円。本館も英クイーンエリザベス2号をかたどっており、いずれも新交通ゆりかもめ・船の科学館駅からすぐ。都内で動かない“船旅”が体験できる。