今夏を境に急激に力をつけてきた新星タマモナイスプレイが、いよいよ重賞に殴り込みをかける。
7月の1000万・三宮特別をメンバー最速の上がり3F33秒8の豪脚で差し切ると、連闘で挑んだ1600万・ジュライSも斤量が5キロ軽いレディルージュをきっちり捕らえる横綱相撲。しかも、馬体は減るどころか8キロも増えていた。ここにきての成長ぶりは目を見張るものがある。
鶴田厩務員も胸を張って言う。
「気持ちがだいぶいい方へ向いてきたね。というのも、以前は直線を向くと、スタンド前の歓声にひるんで力を出し切れなかった。それが今はきっちりと折り合って、最後までいい脚を使えるようになった。前走にしてもいい形でレディルージュを負かしたからね」
もともと重賞2勝を挙げるタマモホットプレイの全弟という一本筋の通った血統。両馬を担当する同厩務員は早くもその兄を引き合いに出す。
「末脚の爆発力は間違いなくお兄さん譲り。本当にいい脚を持っている。ようやく同じクラスにたどりつけたし、ここで一気にホットプレイ超えを果たしたい」
前走後は連闘後のケアをしっかりし、7月23日に初時計をマーク。1週前追い切り(栗東坂路800メートル53秒4→38秒3→13秒0)の29日には、いつもの豪快なストライドで併走馬との追い比べを制した。
「連闘後はさすがに疲れはあったけど、間隔があったのでそれもすっかり取れた。確かに相手は強くなるが、どこまでやってくれるか楽しみな一戦だよ」
新潟コースは初めてだが、長くいい脚を使えるタイプだけにドンと来い。充実著しい今なら、一気に真夏のマイル王に君臨してもおかしくはない。