今年も荒れた2歳牝馬のスプリント重賞。直線、突き抜けたのは11番人気の伏兵ルルパンブルーだった。
「外(15番)枠だったので、最初から前には行けないと思っていた。後ろから、あいたところを狙うつもりでした」と殊勲の吉田隼騎手。
これが功を奏した。前半の3Fが32秒9のハイペース。後方から2番手で直線を向いたルルパンブルーは迷わず馬群の中へ。鞍上のゴーサインが出ると一気に末脚を伸ばし、先に抜け出していたスワンキーポーチを並ぶ間もなく差し切った。
「思ったより掛かっていかず(位置取りが後ろすぎて)、あせりましたが、その分、終いは伸びてくれました。4角の手応えは抜群でしたね。まだ一生懸命走りすぎるとこらがありますが、これから競馬を教えていけば、マイルまではもつと思います」
2006年の福島牝馬S以来の重賞2勝目に、23歳の若武者の笑顔が弾けた。
一方、坂本師にとっては、これが1999年の開業以来のうれしい重賞初制覇。「テンションが上がりやすいタイプだったが、今日は返し馬もスムーズだったし、落ち着いていた。数を使って、だいぶ競馬に慣れてきたね。短いところがいいのは確かだが、もともと期待が大きかった馬。これから距離を延ばしていきたい」と、来春の桜花賞をしっかり見据えていた。