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大相撲 外部理事登用せず 大甘人事

 日本相撲協会は8日、東京・両国国技館で緊急理事会、評議員会を開き、尿検査で大麻の陽性反応が確定となったロシア出身の2力士、幕内露鵬(28=大嶽部屋)、十両白露山(26=北の湖部屋)を解雇。さらに、北の湖理事長(55)も引責辞任した。一連の大麻使用疑惑騒動に終止符を打つべく、新理事長に武蔵川親方を据え、立て直しを図ろうとする角界だが、ここにきて新たな問題も浮上。ますます混とんとしてきた。

 一難去って、また一難。
 この日、理事会前に再発防止検討委員会を開き、精密検査で“クロ”の反応を示した2力士に対し事情を説明。1?あたり15ナノグラムという基準値に対し、露鵬は5倍、白露山は10倍の濃度が検出された。
 その後、理事会の冒頭で、「前日から決めていた」という北の湖理事長が、一連の大麻騒動の責任を取る形で理事長を辞任。会見で「(陽性)結果が出た場合には師匠として責任を取るべきだと思った。ファンの皆様に申し訳ない」と陳謝した。
 また2力士は解雇され、露鵬の師匠、大嶽親方は委員から年寄に降格。新理事長には協会ナンバー2でもある武蔵川親方が、理事会で満場一致で選出された。
 新理事長に就任した武蔵川親方は「土俵の充実も大事ですし、再発防止策をやらないといけない。このようなことが2度と起こらぬよう、厳しく指導していこうと思います」と所信表明した。
 当事者を処分し、大麻疑惑の沈静化に向け新体制がスタートした相撲協会だが、まだまだ課題は山積みだ。理事長職を辞した北の湖だが、理事に留まり春場所担当部長に。さらに、武蔵川親方が理事長に就任したことで伊勢ノ海親方がこれまでの総合企画、生活指導部長に加え、事業部長など合計7つを掛け持つ不可解な人事となった。
 かねてから議題に挙がっている外部理事の登用についても「これから検討していきます」と語るに留まった。現在は力士出身者で占められており、文部科学省からも協会運営の面で指導を受けていた。
 北の湖理事長の辞任でドタバタ人事となった相撲協会。この人選が今後どのような影響を及ぼすのか。

○露鵬と白露山“共闘”も
 露鵬の代理人、塩谷安男弁護士が8日夜、露鵬に面会後、都内の大嶽部屋近くの公園で会見した。検査結果を不服とし、再度質問状を送る意向を示した。さらに、同じく疑惑の渦中にある白露山との“共闘”も視野に入れた。
 この日、陽性が確定した露鵬について塩谷弁護士は「承服できない。法的措置を含めて対応を考えたい」と、今回の決定を疑問視。露鵬とは再度話し合いを持った。
 しかし30分ほどの対面は、極度の興奮状態で「絶対に吸っていない。とにかく再発防止検討委員会から、もう1度説明を聞きたい」と同じ言葉を繰り返し、話を進めることはできなかった。
 今後は、露鵬個人の問題となるため、近日中に再度質問状を送るかについて、相談して決める予定だ。「露鵬がどう思っているか吟味した上で戦えるかどうか検討する」と、塩谷弁護士はあらためて相撲協会との法廷闘争を示唆した。
 さらに「私の見解」と前置きしたうえで「白露山も露鵬も部屋という枠に捕われていましたが、これからは連携していくかもしれません」と共闘も視野に入れた。
 相撲協会と全面戦争の気配漂う露鵬サイド。そのためには一刻も早く平常心を取り戻す必要がある。

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