設置審は不認可の理由について、宗教法人「幸福の科学」の大川隆法総裁の「霊言」を大学教育の根底に据えることは、『学術の中心』としての大学の目的を達成できると認められないとしている。さらに、11月19日号の夕刊紙「東京スポーツ」の「幸福の科学大学不認可問題 双方の言い分」では、文科省側の宗教を裏付けするものに、歴史的蓄積と研究の成果、文献があるが、幸福の科学の「霊言」は学会の中で研究されておらず、科学的・学問的なアプローチがされていない。ただ、現時点で不認可だが未来永劫不認可というわけではないとコメントしている。
以上が文科省側の言い分であるが、一方の、幸福の科学は、この不認可をどう受け止めているのか。幸福の科学グループの里村英一広報担当は「文科省サイドと58回もやりとりをして、是正の意見を言われた部分は変えてきました」と主張。ただ、「それなのに急に不認可となり、その理由を『霊言』と言われました。そもそも、『霊言』を根底に添えてないし、事前に是正しろと言われれば、是正しました」と反論する。
ただ、話はこれだけではない。幸福の科学大学側からの異議申立書によると、幸福の科学出版が6月に「文部科学大臣・下村博文守護霊インタビュー」を刊行する前日に下村文科相が幸福実現党のA氏に直接抗議。「誹謗中傷の内容である。いまなら、対応の仕方がある。本のストップは当然のことだ」と電話してきという。さらに第2弾「下村博文守護霊の霊言パート2」が出るタイミングでも、威圧行為があったとしている。これに対して東京スポーツの同記事で文科省は、「大臣の個別の発言については大臣から聞いてない」と答えている。
幸福の科学大学は、最長で5年間認可されない可能性があるとも言われ、幸福の科学側からすれば、そう簡単に引き下がることができない問題だろう。「私学は学問の自由が認められているはず。規制緩和の流れの中で国家が過度に民間に介入する部分は時代に逆行しています」と幸福の科学グループの里村英一広報担当は語る。
「学問の自由」に「信教の自由」。今回の問題は多くのテーマを世間に投げかけていることは間違いないだろう。