「有難い存在ですよね」
8.18大田区大会の試合後、過去3会見に応じたKNOCK OUTを運営するブシロードグループ傘下キックスロードの木谷高明オーナーは、ぱんちゃんについて、開口一番こんな言葉を使って評価した。木谷オーナーは「今、アメリカでも女子格闘技が流行っている中、カワイくて強い選手はいそうでいないんですよ。こういう選手が出てくるのは有難い」と続けると、「女子に関してはもっと取り上げていきたい」と語り、普段キックを見ない層にも届くような女子キックボクサーとしての活躍に期待を寄せていた。
今回はノンタイトルマッチだが、8.18大田区の試合は「今まででいちばんダメな試合だった」と反省しきりだったが、ビジュアルだけじゃなく“試合で”魅せていきたい本人の志は高く、「トップを目指しているので、練習だけじゃなく、試合で出せるように頑張ります」と最後は前を向いていた。今回のカードについては「4月に祥子選手にもしっかり勝利してる相手なので、MIREY選手に勝つことで自分の悔しさも吹っ飛ばそうと思ってます」と、8月大会のうっ憤を晴らしたい強い気持ちを持って準備していくという。
今後も“全力プロモーション”で、KNOCK OUTを盛り上げていく気持ちは変わらないが、そろそろKOする姿を見たいという声も内外から聞かれており、それは本人がいちばん感じていることである。その期待を今年中に達成するようなことがあれば、その先には光り輝く腰に巻かれるべき勲章が見えてくるのではないだろうか。
ぱんちゃん璃奈からは、かつてFMWで活躍した女子プロレスラー、工藤めぐみさんと似た雰囲気を感じる。工藤さんも写真集を発売するなど綺麗で強い選手だった。工藤さんと違う点があるとするなら、ぱんちゃんは同性からも好かれる要素を持っていることだ。女子中高生に「ぱんちゃんみたいになりたい」と思われるような存在になって、女子のキック人口を広げる役割も担ってもらいたい。
そのためにも、今回はスカッと勝つ必要があるだろう。ツイッターのフォロワーは7000人まであと僅か。インスタではさらに登録者が増えている。新生KNOCK OUTの象徴的存在としてまだまだ負けるわけにはいかないのだ。
(どら増田 / 写真©︎キックスロード)