画像のように、赤く輝く目を持つ。毛に覆われ、牛ほどの大きさを誇る犬の姿をした怪物だと言われている。イギリスでは黒妖犬が最初に目撃されてから約500年間にわたり、実に数百件以上の目撃情報が存在。それは現代も続いているという。
人間の死と関連する場所に現れることが多いようだ。17世紀のデボン州で、悪名高い地主が死んだ際に埋葬した墓の周囲で目撃されたり、多くの犯罪者が処刑されたニューゲイト監獄では、400年間にわたって目撃談がささやかれ続けた。
同監獄はイギリス史上最も劣悪な監獄だったと言われる。収容された囚人に満足に食事も与えられないこともあった。飢えに苦しんだ囚人が他の囚人を殺して食べてしまうこともあったようで、その際には必ずと言っていいほど黒妖犬が現れたという。
その他にも、人気のない道や橋などの交通路での目撃情報も多い。
黒妖犬に遭遇した場合は、絶対に攻撃したり捉えたりしてはいけないという。もしこれらの行動に出ると、食い殺されたりひどい傷を負わされるのだという。
だが、危害を加えなくても、目撃しただけでその人物は近いうちに死んでしまうとも言われている。「死の予兆をもたらす怪物」だとも解釈されている。
こうした恐ろしい一面を持つ一方で、旅の途中で道に迷った少女を目的地まで送り届けたという逸話もある。時に人間の味方になってくれることもあるようだ。
アーサー・コナン・ドイルは、シャーロック・ホームズ・シリーズの長編第四作「バスカヴィル家の犬」で黒妖犬に似たモチーフを登場させているが、これは友人から黒妖犬の話を聞いたことから着想を得たものであった。
ちなみに、この黒妖犬との類似が指摘される謎の大型哺乳類は今でも目撃例がある。2016年8月にはイギリスのデボン州で黒豹にも似た巨大な生物が森の中に入っていく様子が確認されている。
(監修:山口敏太郎)