現地では「フェイスレス・エイリアン」と呼ばれているが、日本人から見れば完全に「のっぺらぼう」。顔を特殊なゴムのような素材で覆い、一見顔がないように見える男女のカップルが白昼堂々外を闊歩(かっぽ)しているのだ。街中を歩くのはもちろん、ウインブルドンのテニスの試合を観戦したりセール会場にも現れている。
色も肌色で、質感もまさに本物と見まがうばかりの出来だ。もちろん、れっきとした人間によるパフォーマンスだが、その目的は何なのか?
アーティストたちによるパフォーマンスか、または口コミによる宣伝効果を狙った広告戦略ではという意見もあるが、真相は明らかになっていない。いずれにしてもいきなり見たら驚くのは間違いない、人騒がせな行動ではある。映像の世界では、「Xファイル」第5シーズンにフェイスレス・エイリアンが登場しているが、これがヒントの一つになったのだろうか。
今年8月17日、英国防省が1981年から1996年までの間に記録、保管された約800件のUFO目撃情報の詳細を公表した。
一例を挙げると、「レモン型の頭部をもつ宇宙人に話しかけられた」という証言がある。警察の記録では、95年5月4日、2人の少年が野原を歩いていると、突然宇宙人が現れ「おまえたちが欲しい。われわれについて来い」と言われたという。
少年たちは約100メートル離れた家まで着いてゆくと、そこにはUFOが浮かんでいたという。そして「少年たちは動揺し、困惑した様子で一部始終を話した」と記録にあるそうだ。
アメリカでは、UFO、エイリアンに関する情報公開を求めるディスクロージャー・プロジェクトという市民団体の動きがあり、元NASAの職員や軍人が自分の知っている情報を提供している。この動きに刺激されてか、アポロの飛行士たちの発言も最近増えてきている。
さらにオバマ大統領が11月27日に、6種類の友好的エイリアンについて世界中に生中継で発言するいうウワサまで流れているのだ。
このようにここ数年、各国でUFO・エイリアン関係の情報開示の動きが広まっている。UFOと宇宙人が実在することの証しなのだろうか。
ひょっとすると、「フェイスレス・エイリアン」のパフォーマンスは、この世界的流れを人々に意識させようというビリーバーたちの啓蒙活動なのかもしれない。