4月26日の東京ルミネtheよしもとを皮切りに、名古屋・東文化小劇場(5月3日)、福岡・イムズホール(5月31日)、札幌・教育文化ホール(7月20日)、大阪・なんばグランド花月(8月22日)の5か所を回るツアーで、各公演約2時間のステージを予定。単独ライブでしか見られない漫才の新作や、コント、ゲストトークなどが披露される。
今回はツアーを前に2人を直撃。ツアーへの意気込みなどを聞いてきた。
—— 初の全国ツアーですが、本番を前にお二人の心境を聞かせてください。
濱家:東京と大阪以外で単独ライブをやったことはなかったので、わくわく楽しそうやなっていう思いです。普段、生で僕らのことを見たことがない人たちにも見てもらって、どういうリアクションになるんやろうという楽しみがあります。来る人には楽しんで帰ってもらいたいです。
山内:今まで全国ツアーは一切やらずに来たんです。満を持してのツアーです。お客さんのハードルも上がっているので、満足してもらえるように頑張ります。
—— ネタはすべて新ネタですか?
2人:はい!
濱家:今回初めての全国ツアーということで、よりいろんな人に楽しんでもらえるようにゲストの方にも全公演、別々の方に来てもらったりする予定なので、ゲストの方も楽しみにしていてください。
—— そもそも結成15年にして全国ツアーをやろうと思ったきっかけは何だったんですか?
濱家:15周年ということもありましたし、チケットも何年か前から大阪と東京では即完売するようになっていたんです。他の都市に行ってもそろそろ大丈夫かなという思いもあって、やろうって。
—— 2017年に『キングオブコント』で優勝して脚光を浴びましたが、ここ最近はその時以上に活躍されているようにも見えるのですが。
山内:『キングオブコント』に優勝するまでは東京のテレビにはほとんど呼んでもらうことがなかったんですけど、優勝してから少しずつ呼んでもらえるようになって、去年の4月に本格的に東京へ進出したんです。それで徐々に東京での仕事の幅が広がってきているのかなって。自分たちでもそういう手応えがあります。いろんなテレビに呼んでもらえるようになったし、東京に来たての頃は休みが結構あったのに最近は毎日のように仕事が来るようになっている。ありがたいなって。
濱家:大阪にいた頃も結構仕事はあったんです。休みも月に一、二回。それを東京に来る時に8本あったレギュラーを7本辞めて出てきたんで、上京後、スケジュールが真っ白になるような状況があったんです。そこから今の状態まで増やすことができたんです。
山内:でも、東京ではまだレギュラーは少ないんです。それを今後は増やしていきたいなって思っています。
—— 大阪で仕事をしていた時と変わった点は何ですか?
山内:大阪はほとんど吉本の芸人ばかり。それがこっちは他事務所の人とかがたくさんいて、すごい競争率だなって。初めて共演する人が多いので、そういう人たちとうまく会話して行くというのも大阪にいた頃はあまりなかったので、すごく勉強になります。
—— 他事務所の人で共演して嬉しかった相手はいますか?
山内:志村けんさんとかタモリさんはテレビで見ていたレジェンドな方。その人たちの番組に呼んで頂いた時は嬉しかったです。
濱家:タモリさんなんか感動しました。一番うわっ!てなった瞬間でしたね。
山内:自分がテレビで見ていたお笑い界のモンスターと呼ばれる人たちと一緒にできるのはすごく新鮮で不思議な感じなんです。
山内:これまで先輩の千鳥のノブさんによくご飯に連れて行ってもらったりお世話になっているんですけど、千鳥さんも大阪から東京に出られて、いろんな人と共演していて、それを見て、自分らもああいう感じになりたいなって思っていたんです。そこに続けていけたらと思っています。
—— 千鳥のお二人からアドバイスをもらったりはしているんですか?
山内:僕が常日頃、「寸分違わず千鳥のように売れていきたい!」っていうのを言っているんですけど、ノブさんも最近、僕らの仕事ぶりを見て、「2年前の自分らと寸分違わず売れていっている」って言ってくれているんです。全く同じ道を歩んでいっているって。
濱家:喜んでいいのかどうかはわかりませんけど(笑)
—— 派閥があるとしたら、かまいたちは吉本の誰のグループに属するんですか?
山内:ノブさんと小籔(千豊)のグループですかね。小籔さんが一番先輩ですけど、それより上の人とご一緒する機会はまだあんまりなくて。
—— 大御所の人からのお誘いとかは少ないんですか?
山内:ダウンタウンさんとかは打ち上げに連れて行ってもらえることはあるんですけど、まだ直で誘われたりとかはないです。
—— 東京で、いつか出たいと思っている番組はあるんですか?
山内:『開運!なんでも鑑定団』『しゃべくり007』とかですかね。『なんでも鑑定団』はずっと見ていて面白いなって。おじいちゃんとかおばあちゃんが家宝を持っていくけど、1000円とかになっていたり、あの無慈悲な感じ。それが好きで、いつか出てみたいって。
濱家:僕は『IPPONグランプリ』。
山内:あれは緊張するよ……。僕は一回出たんですけど、むちゃくちゃ緊張しました。すごい先輩ばかりの中なので。お客さんの前ではウケるやろうと思ってやるんですけど、先輩たちはもう、本質のお笑いでしか笑ってくれないので厳しいなって。先輩に面白いと思ってもらいたいので。
—— 『M-1』とかで、松本さんが後輩のネタで笑っているのとかって、やるほうからしたらすごく光栄なことなんですか?
濱家:めちゃくちゃ嬉しいですよ。
山内:松本さんが笑ってくれた時はほんまに嬉しいですよ。
濱家:「ネタ面白かったな」とか言ってもらえた時は嘘みたいに嬉しかったの覚えています。この世界に入るきっかけになった人なんで。
—— コンテスト関係は今後どういう風に挑戦していこうと思っているんですか?
山内:去年の『M-1』で一区切りという感じで、コンテストは一旦終了してテレビで活躍していける芸人になりたいなって思っているんです。テレビはいろんな要素が試されるんで。
—— コンビ結成15周年。ここまでの活躍を自分たちで採点するとしたらどんな感じですか?
濱家:飯食って生きのびて来たという意味で100点じゃないですか。なんとかなるやろって思ってはいましたけど。
山内:『キングオブコント』獲るまではなかなか厳しかったですけどね。でかい大会で優勝するのはやっぱり大きいなって思いました。
—— 結成15年でコンビ仲の方はどんな感じなんですか?
濱家:仲いい方だとは思いますよ。あんまり二人でいるのも苦じゃないし(笑)
—— 後輩の芸人たちも伸びて来て、今後はライバルになりそうな芸人の人たちもいると思うのですが、例えば霜降り明星のような若手については、どんな風に見ているのですか?
山内:霜降りはもう天才。両方とも天才。あの若さであんな面白いのは異常ですよ。
濱家:あの若さの時、僕はめちゃくちゃおもろなかったんでね。すごいなと思います。山内はあの歳ぐらいの時、すでに面白かったですけどね。
山内:霜降りのあのインパクトはここ十数年はなかったようなものですよ。
濱家:でも、例えば霜降りが出てきたから僕らの仕事が減るみたいな感じでもないんです。だから、やばいやばいって感じではないんですけどね。あの若さですごいなっていうだけで。
山内:僕らも毎日が次の場への勝負だという意識だけは持ってやっていきます。
濱家:うちらは安泰という意識は一ミリも持っていないので。
—— 最後にツアーに向けてファンへメッセージをお願いいたします。
濱家:僕たちらしさをぜひ生で体感しに来て欲しいです。
山内:舞台だと違った面も見れると思うんです。そこをぜひ観に来て欲しいです。
(取材・文:名鹿祥史)