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小倉記念 連覇へ、夏女サンレイジャスパー上積み十分

 すべては計算通りだ。前走のマーメイドSは12着とシンガリに大敗したサンレイジャスパーだが、あくまでこの小倉記念を見据えた叩き台でしかなかった。

 「当初から狙っていたのはこのレースだったからね。休み明けだった割にハンデを背負わされたし、しかもあの土砂降りで馬場も相当悪くなっていた。切れ味勝負のこの馬には厳しい条件。3コーナーで息が上がったのも仕方ない」と高橋成師は振り返った。
 1年近くレースから遠ざかり、18kgの大幅な馬体増だった。そこからの上積みは小さいはずがない。
 「今度も体は立派だけど、それでいい。それぐらいの馬体の方がしっかり攻め馬ができるだろう」と師は不敵な笑みを浮かべた。暑かろうが、牝馬だろうが、仕上げに妥協はない。それが高橋成流のスパルタ教育であり、そこからジャスパーのような夏女が育ったのだ。
 1週前追い切りは23日の栗東坂路で800m51秒5。「しっかり動いた。力のいる馬場ではなかなか出せない時計だよ」というように、動き自体がはっきり変わってきている。
 「1回使って確実に良くなっている。いくらか体に余裕があっても、小倉までの輸送があるからきっちり絞れるはず」
 例年、夏は大活躍だ。3年前の小倉では初出走の身で未勝利戦を楽勝すると、続く古馬混合の500万も突破。一昨年は小倉大賞典4着に新潟記念2着。そして昨年は小倉記念で念願の重賞初制覇を達成した。
 毎年確実に、夏を足場にステップアップしている。ここ数年の暑さは温暖化の影響もあるのか尋常ではないが、ジャスパーの場合、いくら暑くてもカイ食いが落ちない。だから目いっぱい調教ができる。長距離輸送も苦にしない。
 「絶好調になるのは次の新潟ぐらいかもしれないが、ここまで良くなれば十分好勝負になる。夏女らしさを見せなアカンよな」
 狙うはもちろんサマー2000シリーズの頂。真夏の女王に上り詰めるか。

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