使い出しのころは追ってフラフラ。口向きも悪く、何もかもが“お子ちゃま”といった感じでした。乗り役はさぞかし苦労したことでしょう。それでも、最後にジワジワと伸びてくる脚には「いずれは」の希望の光を抱かせました。
冬場は番組の関係もあり、ダートに転向。勝利を挙げることはできませんでしたが、砂を被るタフな競馬を経験したことで、もまれ強くなりましたし、パワーのいる馬場で底力をつけることもできました。いい成長過程を踏めたと思います。
そして、再び芝に戻した3走前から、ようやく真価を発揮し始めました。鋭い末脚を発揮して3着したのを足掛かりに、ポンポンと2連勝。とくに、前走の夏木立賞は昇級戦にもかかわらず、直線大外からの豪快な差し切り勝ち。ひどかったササり癖もすっかり改善され、力強いフォームで駆け抜けました。馬もやる気十分で、小柄な馬体も大きく見せています。
何より、芝2000m1分59秒4の時計も優秀です。一戦ごとに大きく成長している姿はまるで別馬を見ているよう。この分だと、ここもあっさり通過できそうですね。
福島は初めてですが、手前の関係で右回りの方がスムーズなタイプ。しかも、10頭立てと頭数は手ごろですから、小回りはさほど気にすることないでしょう。54kgを生かし、鋭い決め手で突き抜けます。