「重賞勝ちした新潟大賞典。あの時より状態はいいぐらい」と佐藤助手はうなずいた。それは実に一昨年の5月のこと。あれ以来、ずっと勝利から遠ざかってきた。
540kg前後の超大型馬で調整が難しく、また馬自身も走る気を失っていた。転機になったのは昨夏の休養だった。「それまでは馬がレースに対して嫌気を差していた感じだったけど、あの休養ですごくリフレッシュできた」と振り返った。休み明けの福島記念こそ「まだ体が緩かった」と見せ場なしの12着だったが、休養効果を垣間見せたのは前走の鳴尾記念だった。
着順は5着とはいえ、着差はわずか0秒1。4角14番手からメンバー最速の上がり3F33秒4という往年の切れ味を取り戻した。
「最後まで気持ちを切らさなかったのが大きいね。馬自身が生き生きしてきた。あとは天気。良馬場ならチャンスは十分あると思う」
舞台は<3312>とベストの京都。外回りなら切れ味を存分に見せつけられる。
【最終追いVTR】坂路を単走で52秒0→37秒9→12秒5。中間地点をすぎたあたりから目一杯に追われた。長めのスパートにもかかわらず、最後までしっかりした脚取りでフィニッシュ。現在の体調の良さを物語るような動きを見せた。