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福島原発事故の余波でJリーグ・名古屋グランパスにピンチ到来!

 中部電力がサッカーJ1リーグの名古屋グランパスの公式スポンサーから、撤退することが濃厚となった。

 福島原発事故の影響で、政府の要請に基づいて浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)が全面停止となり、中部電力の業績が悪化。12年3月期の連結決算で1100億円の赤字となる見通し。同社が赤字に転落するのは、51年の会社設立以来初で、由々しき問題。同社では広告宣伝費などを大幅に削減する方針で、グランパスの公式スポンサーからも下りる方向で検討している。グランパスの運営会社への出資は継続する予定で、将来的に浜岡原発が再開し、業績が回復すれば、公式スポンサーに復帰したい意向だ。

 同社広報部によると、「決定ではない」と明言を避けているが、すでにグランパス側に撤退する意向を伝えており、今年のユニフォームが決まる今月末までに最終的な方針を決定するという。

 グランパスの公式スポンサーはトヨタ自動車、中部電力、トヨタファイナンス、アイシン精機、デサントの5社。中部電力は08年からスポンサーとなり、ユニフォームの袖に社名広告を出しており、スポンサー料は数百万円から1000万円強と見られている。

 グランパスは一度もJ2に降格したことがない名門クラブ。05年は14位、07年は11位と低迷したが、08年にドラガン・ストイコビッチ監督が就任すると、成績も上向き、10年にはJリーグ初優勝。昨季も好調で、優勝した柏レイソルに、わずか勝ち点1及ばず、惜しくも2位に終わった。天皇杯は95、99年の2度制している。昨季のJリーグ公式戦の観客動員数は28万4590人(1試合平均1万6741人)で、J1で4位の人気クラブだ。

 やむを得ない状況とはいえ、ここ2年間、好成績を残しているだけに、クラブの財政を支える公式スポンサーが1社はずれるのは、非常に痛い事態だ。
(落合一郎)

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