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選手会「後任会長が決まらない」戦力外の村田修一がクローズアップ

「負担軽減を考えてのことだろうね、選手会も大変だから…」

 東北楽天ゴールデンイーグルスが元在籍選手で埼玉西武を解雇された渡辺直人(37)の獲得を発表したのは、11月21日だった。これが、労組・日本プロ野球選手会とどういう関係があるのか? だが、楽天の関係者はそう解釈していた。

「渡辺は楽天でプロ野球生活をスタートさせた生え抜き。しかも、他の楽天OBと違うのは、合併前の旧近鉄、オリックスを知らないこと。合併前球団を知らないOBも増えてきましたが、渡辺は大学、社会人を経由し、27歳のシーズンからプロ生活をスタートさせています。年齢的なものもあって、新人時代からチームをまとめる側にいました」(プロ野球解説者)

 その渡辺帰還が発表される前日だった。労組・日本プロ野球選手会は事務折衝を行い、12月7日の選手総会開催を発表した。すでに一部メディアも伝えているが、会長職を長期に渡って務めてきた楽天・嶋基宏会長(32)が交代する可能性が高いという。しかし、後任人事でもめており、状況次第では「嶋留任」になる。渡辺帰還はそれに備えた面もあり、チーム内での負担を少しでも軽減させたいからだ。先の関係者は「内野すべてのポジションが守れるので戦力としても」と前置きしたうえで、こう続ける。

「次の会長がいきなり直面するのは、巨人・山口俊投手の問題。当人と球団の間では解決している感もありますが、ペナルティが重いとして、選手会の事務方は東京都労働委員会に救済申し立てをしてしまいました。第1回目の審議が12月4日に開かれます。この問題を継続して訴えていくというのが事務方の見解なので、来年度の選手会長は大変ですよ」

 億単位の減俸、契約年数の見直しは重い。しかし、山口投手は納得しているとし、再起に向けて頑張っている。しかも、NPBも「巨人の処分は妥当」と回答しており、東京都労働委員会の回答次第では、選手会は12球団経営陣との全面対決となる。

「2019年に2回目のプレミア12、20年に東京五輪、21年に第5回WBCと、国際大会が続きます。来年オフも稲葉ジャパンの国際親善試合を行うだろうし、侍ジャパンに参加する選手のアフターケア、オフシーズンの試合中に故障が起きたら誰が責任を取るのか、そういう問題も解決しなければなりません」(球界関係者)

 おそらく、誰もやりたがらないだろう。嶋留任の可能性も高いと見るべきだ。それに関連してか、巨人から戦力外を通告された村田修一(36)の周辺にも動きが見られた。「看板選手とポジションがかぶるので獲りにくい」の声も出ていたが、

「村田は移籍先の巨人でも選手会長を務めたオトコですよ。若い選手をまとめる力がある。人間性がもっと評価されてもいいのでは」(在京球団)

 との意見も出始めた。

 チーム内選手会が若い球団は、村田獲得を再検討しているという。星野仙一・楽天副会長は獲得に否定的だったが、楽天内にもそういった考えが再燃しているのかもしれない。

「右の大砲タイプである村田を本当に必要としているのは巨人じゃないか(笑)。投手だけではなく、外野手の大砲タイプの助っ人を探しているようだし」(ベテラン記者)

 三塁手・マギーは外野守備もできる。マギーの二塁守備は「守備範囲が狭すぎ」とのことで再び三塁に戻すようだが、そのマギーも「残留濃厚」とのことで、この時点ではまだ残留が確定していない。中日に大幅昇給を突き付けたゲレーロを狙っている話もあるが、村田を呼び戻したほうが“お買い得”かもしれない。いずれにせよ、選手会の喧騒で去就の決まらないベテランが再クローズアップされてきたのは間違いないようだ。

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