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残留は退団希望の裏返し?FA宣言見送りの中田に「トレードなら、獲得しやすい」の声

 来季、北海道日本ハムファイターズの『ウリ』は清宮幸太郎(18)しかない?

 主砲・中田翔(28)がFA権を行使せず、チーム残留を表明したのは、11月14日だった。会見で出た「いろんな人といろんな話をさせていただき…」なるコメントから察すると、移籍も選択肢にあったようだ。家族の反対、ファンの声援などが「慰留」を決めさせたそうだが、“辛い現実”も聞かされていた。

「今季は不振でしたが、『侍ジャパンの4番』ですよ。その中田がFA宣言するとなれば、どの球団も獲得を検討するのは当然です。最終的にどの球団も獲得を見送りましたが」(プロ野球解説者)

 獲得が見送られた理由は、カネだ。

 中田の17年年俸は「2億8000万円・Aランク」だ。Aランクとは在籍チームの年俸で上位3位に入っている選手のことを指す。Aランク選手を獲得したチームは、旧在籍チームに対し、前年度年俸の80パーセントか、「人的補償+50パーセント」を支払わなければならない。80パーセントなら、2億2400万円、旧在籍チームが人的補償を要求しても、さらに50パーセントの1億4000万円を支払わなければならないのだ。つまり、中田自身に提示する年俸以外に、最低でも1億4000万円が必要となる。

「中田にもFA宣言したメンツがあるでしょうから、日ハム時代よりも高い年俸を提示してやらなければなりません。3億円としても、FA選手との交渉は複数年契約が一般的ですから、2年としても、6億円が必要」(前出・同)

 中田に“8億円の価値”があるかを考え、獲得に積極的と報じられていた阪神も二の足を踏んだのである。

「経営資金のある球団は、金銭補償は一時的な出費として割り切って捉えることができるかもしれません。各球団の編成が気にしていたのは、得点圏打率のひどさです。得点好機における中田の打率は、1割9分5厘。これでは話にならない」(球界関係者)

 今季の成績は打率2割1分6厘、16本塁打、67打点。これでは仮にFA宣言したとしても、どの球団も交渉を申し込まないだろう。中田は「赤っ恥をかくよりはマシ」と考え、残留を選択したのだ。

 慰留させた日本ハム球団も8000万円減額の2億円で、契約更改を終えた。好成績を残せばボーナスがつく出来高もあるそうだが、中田にとってこれ以上の屈辱的なシーズンはなかったはず。しかし、こんな声も聞かれた。

「いや、フリーエージェントでの獲得なら多額な出費となりますが、交換トレードなら余計な出費はありません。『中田が動く』のはこれからではないか?」(ベテラン記者)

 成績だけを見れば、日ハムも得点圏打率1割9分5厘の選手に2億円も払いたくないはず。通常、日本のプロ野球チームは過去の実績、人気、チーム内における影響力も加味して契約更改やチーム編成を行うが、日ハムは違う。年齢的に上積みの期待できない選手、とくに高額年俸となったベテラン選手をドライに切り捨ててきた。過去、大物選手がFA宣言しても見送るだけだったのは、そうしたチームビジョンがあったからだ。中田が移籍前提で去就を考えていたのは、先輩たちの処遇を目の当たりにしてきたからだろう。

「外国人選手の補強に動いている球団が獲得に失敗したら、交換トレードが検討されるはず。FA権を行使しなかったことで、中田は獲りやすくなったと見るべき」(前出・同)

 とはいえ、今オフの日ハムは“異例”も多い。FA宣言した増井浩俊投手(33)に対し、「宣言残留」を認めた。他球団との交渉が決裂した場合、チームに残ってもいいと伝えており、こうした温情はかつて見られなかった。大谷翔平のポスティングシステムによる米球界挑戦があり、投打ともに大幅な戦力ダウンが避けられないからだろう。

「清宮の一軍キャンプ帯同は確実です。清宮が1年目から活躍できる保証はありません。しかし、一軍投手に対応できる、スピードに付いて行けると判断すれば、教育の一環で試合にも使ってくるでしょう」(前出・プロ野球解説者)

 清宮と中田はポジションがかぶる。同じ一塁手として伸びしろの多い18歳と、ロートルの28歳のどちらを使うかは明白だ。球団関係者によれば、日ハムナインは今年度の1位入札選手が清宮だと知ったのは、ドラフト会議の1週間から10日前だったという。その時点で、中田は“考えること”がたくさんあったはず。中田自身、トレードをひそかに期待しているところがあるのではないだろうか。

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