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ダイヤモンドS追い切り速報 バイロイト 目イチ勝負

 久しぶりに大物感漂う生粋のステイヤーが、今週行われる「第57回ダイヤモンドS」(GIII 東京芝3400m 11日)に参戦する。その名もバイロイト。せん馬だけに天皇賞・春の出走は叶わないが、逆にいえば数少ないマラソン重賞のここは目イチ勝負。今朝も坂路を快調に登坂し、2連勝中の勢いをアピールした。
 1600万→オープン特別を連勝し、いよいよ次は重賞挑戦。6歳と遅咲きながら、バイロイトが完全に本格化した。
 2月初旬とは思えぬ、柔らかな風に包まれた栗東トレセン。バイロイトは朝一番に坂路に姿を現すと、まずは800m75秒8と軽くウオーミングアップ。続けてDWコースへ場所を移すと、終いを重点にした併せ馬で6F83秒4、上がり3F39秒0→11秒9をマーク。鞍上からゴーサインがかかると、いかにもステイヤーらしい重心の低いフォームで併入に持ち込んだ。愛馬の動きを確かめた中竹師は、笑顔を混じえて言う。
 「前々走(古都S1着)なんかは体調がもうひとつだったけど、前走(万葉S1着)あたりからグンと良くなってきた。中間にグリーンウッドFに短期放牧に出したが、このレースに向けて逆算して調整してきたし、そのデキはきっちりキープできているよ。ここへきて競馬内容が安定してきたしね」
 重賞制覇へ調整に狂いがないことを強調する。
 前走の万葉Sはトウカイトリックにハナ差の勝利とはいえ、3着以下を6馬身突き放す2頭のマッチレース。“その他”との力の違いを示すとともに、重賞級の能力をまざまざと見せつけた。今回、トリックとの斤量差は1kg→0.5kgに縮まるものの、「長距離なので多少の影響はあるかもしれないが、そもそもが斤量泣きしないタイプ」と指揮官はさほど意に介していない。
 また、3歳時には、ここ東京で8着に敗れているが、「回りは気にしないよ」。まだ完成途上での敗戦だけに参考外だし、それどころか師は「むしろ東京の長距離というタフな条件はこの馬に合うんじゃないか。それに、週末は雨予報になっているからね。他の馬がつらい分、我慢比べに強いうちのには有利」とコースがわりを歓迎している。
 「以前はスタミナだけで走っているような馬だったけど、最近は体に幅が出てきたんだ。それにストライドが伸びて、大きく走れるようになっている。それが近走の好走につながっているのかもね。幸いツメの方も小康状態。力は出してくれるだろう」
 コースは問題なく、ツメの持病も大丈夫。距離は前走よりさらに延びるが「延びれば延びるほどいいタイプ」だ。せん馬のため天皇賞・春への出走は叶わないが、逆にいえば他陣営のようなおつり残しの調整も必要ない。初重賞制覇へ、障壁は皆無といっていいだろう。

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