「気が良すぎるので引っ掛かるのではないか」「距離も長すぎるのではないか」。中舘騎手が戦前抱いていた不安の種は、レースで簡単に摘み取られた。直線豪快に伸びて、1馬身3/4突き抜ける圧勝劇だった。
中舘騎手は満面に笑みを浮かべレースを振り返った。「道中は普段のケイコよりスムーズに折り合いがついた。ゴーサインを出してからモタモタしていたが、抜け出してからは遊びながら走っていた。(距離は)融通性があるね」。すべてが取り越し苦労に終わっただけでなく、大きな収穫を手にした。
「これからが楽しみな馬」短い言葉の中に夢が凝縮されていた。次走は未定。
5日(日)の芝1800m戦は好位2番手を進んだアドマイヤフォース(牡、父タイキシャトル、母アイアンドユー=栗東・友道厩舎)が、マイネルフェスタの追撃を1馬身1/4差抑えて完勝。堂々1番人気に応えた。関西馬は今開催初勝利(新馬)。勝ちタイムは1分48秒7(良)。
福永騎手は「返し馬の勢いがすごかったので、折り合いに専念した」とレースを振り返った。2番手でスムーズに折り合ったセンスの良さは友道師も評価する。
「直線早めに先頭に立ってから遊ぶところがあったけど、ムチに反応してしっかり伸びた」と福永騎手。レース内容は「普段のケイコでも並ぶと抜かせない根性がある」という友道師の話と符合する。
また、距離について福永騎手は「二千までは大丈夫だと思うが、スピードがあるので距離を持たそうと思ったら折り合いが課題になる」とカブトの緒を締めていた。
次走は未定だが、新潟2歳S(JpnIII 新潟芝1600m 9月2日)を視野に入れて調整する。