真珠はアメリカ国籍のハーフ。1993年にニューヨーク州で、野沢とアメリカ人の父親との間に生まれ、サンフランシスコで育った。9歳から空手を始めて、格闘技にも興味を持つようになり、ミシガン州に引っ越してからボクシングのジムに通うようになったという。世界最高峰のMMA団体UFCが好きだった真珠はその後、MMAジム「スコーピオ・ファイティング・システム・ジム」に出稽古に行ったことがきっかけとなり、総合格闘家への道を歩み始めることになる。日本ではRIZINを拠点に活動している。
2017年2月にアマチュア大会でデビュー。格上の選手を相手に勝利で飾ったが、見た目とは裏腹に試合になると気性は荒いようで、2戦目は禁止されている首から上へのハイキックを見舞い、反則負け。3戦目でTKO勝ちを収めた後、母の故郷である日本でのプロデビューを決意。RIZINへの参戦が決定した。
RIZINには同年7月30日にさいたまスーパーアリーナで開催された『RIZIN FIGHTING WORLD GRAND-PRIX 2017 1st ROUND -夏の陣-』で、ベテランのシーナ・スターと対戦。試合は真珠が力で圧倒。最後は腕ひしぎ逆十字固めでプロデビュー戦を見事な一本勝ちで収め、リングサイドの母・野沢も泣きながら大喜びしていた。試合後の囲み会見では笑顔で「誰と対戦したいとかはないけど、このリングで闘っていきたい」とRIZINへの継続参戦を表明した。
第2戦は同年12月31日にさいたまスーパーアリーナで行われた『RIZIN FIGHTING WORLD GRAND-PRIX 2017 Final ROUND』で、アマチュア時代に反則負けを喫したチェルシー・ラグラースとの再戦に臨んだ。途中、ラグラースに追い込まれる場面もあったが、変形の腕十字固めを決めてまたもや一本勝ち。プロデビュー以降、いずれも1Rで仕留めている。
試合後には「日本で大晦日と元旦を過ごすのは初めてなので楽しみ」と目を輝かせていた真珠だが、翌日(2018年1月1日)の一夜明け会見で、試合前の練習で右ひじの靱帯を断裂していたことを告げ、手術することが発表された。復帰時期に関して榊原信行RIZIN実行委員長は「今年の大晦日を目標にしてもらえれば」と語り、RIZIN側としては長期的な欠場もやむを得ないという姿勢を見せている。
榊原委員長は今年の会見でも何度か「真珠は順調に回復している」と話していた。大晦日には間に合わなかったとしても、そう遠くない時期に復帰するものと思われる。真珠は天性の明るさと華やかさ、そして何より抜群のプロポーションを誇っていることから、タレントとしての能力も高く買われていた。「対世間」を大きなテーマに掲げているRIZINにとって、真珠は看板に据えることができる貴重なスター選手と言ってもいいだろう。
試合経験はまだ2戦ということもあり、テレビでの露出が少ないが、野沢の長女ということで、ダウンタウンら芸人を中心に小さい頃から顔なじみのタレントが多いのはアドバンテージだ。今回の写真集にはセクシーショットも何点かあるようで、これを機にメディア露出が増える可能性は十分にある。テニスの大坂なおみの“なおみ節”が話題になっているが、真珠も話すとかなり面白い。“真珠節”で、世間の人気者になってもらい、格闘界に新規のファンを引っ張ってきてもらいたい。
取材・文 / どら増田
写真 / 宮澤正明