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“悪の正太郎くん”ワカマツ登場に昭和ファン感涙!マシン引退で33年ぶり再合体!

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将軍KYワカマツ(左)とスーパー・ストロング・マシン

新日本プロレス
『KIZUNA ROAD 2018 〜スーパー・ストロング・マシン引退セレモニー〜』
▽19日 東京・後楽園ホール 観衆 1,569人

 新日本プロレス最古参レスラー、スーパー・ストロング・マシンの引退記念試合。この日のために販売された引退記念Tシャツは早々に完売。新日本はこの日が後楽園ホール3連戦の最終日だったが、当日券も試合開始前には完売となっていた。会場内を歩いていると「久々に来ましたよ」「やっぱりマシンの最後は見ておきたい」などの声が。最近、プロレスからご無沙汰しているかつてのファンも多く訪れていたようだ。

 田口隆祐の「世紀の大オマージュ」として、かつて新日本マットを席巻したマシン軍団を召喚したという煽り映像が終わると、まずは内藤哲也率いるロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン(ロスインゴ)がいつものように、ゆっくりと入場。BUSHIはオーバーマスクの裏にマシンのデザインを施していた。ロスインゴの入場が落ち着くと、新曲と思われるマシン軍団のテーマに乗って、マシン軍団がワンショルダー姿で登場。緑のNo.69、黒のドン、青のジャスティス、赤のバッファロー、そして白とピンクを基調としたカラフルなマスクのエースがリングインした。

 サプライズはその直後に待っていた。赤コーナーの入場カーテンが開くと、鉄人28号が元ネタの“悪の正太郎くん”が現れたのだ。マシン軍団を“操縦”してきたマネージャーの将軍KYワカマツは、ハンドマイクにムチを持ち、帽子とサングラス、白装束のコスチュームから装飾品を身にまとう。当時に近い姿で元気よく登場した。これには昭和時代からのファンから「おー」とどよめきが起こった。ワカマツが何かを叫びながら先導する形で、黒いマスクを被ったマシン本人が最後に入場した。試合では1985年4月以来、約33年ぶりの再合体である。

 試合が始まるとマシンが赤コーナーのリングサイドに椅子を置き、座りながら、マシン軍団に声援を送り続けた。ワカマツは当時よりは動きに制約はあったようだが、ロスインゴ勢を相手に罵声を浴びせ続け、マシン軍団がピンチになるとリングに上がろうとし、マシンに止められるなど元気な姿を見せてくれた。内藤との時空を超えた「遭遇」はなかなか刺激があり、現在のファンも楽しめたのではないだろうか。

 マスクに慣れない?マシン軍団相手に、マスク剥ぎなどで撹乱し、試合を優位に進めていたロスインゴだが、ドンがヒロムをアルゼンチンバックブリーカーで担ぎ上げ、場外のSANADAとEVILに投げつけてからは形勢逆転。勝機と見たエースがBUSHIにボディスラムを放った。場外ではバッファローが内藤をハンマースルーで放り投げ、セコンドのマシンがラリアットを炸裂させ、内藤が半回転する形でダウン。大歓声に包まれる中、リングではエースがBUSHIにセントーン。そして、エースとNo.69がBUSHIを捕らえたところに、ドンが重量感のあるセントーン。最後はNo.69がBUSHIに魔神風車固めを決めた。必殺フルコースを畳み掛けたマシン軍団が勝利を収めた。

 ワカマツは勝利を見届けると「新日本に骨太はいないのかー?どうだー?」と絶叫し、リング上で、マシン&マシン軍団とともに記念撮影をしていったん退場した。セレモニーが始まる前、コメントブースに現れた内藤は「スーパー・ストロング・マシン、彼が今まで何発ラリアットしたか知らないけどさ、おそらく今日のラリアットが最後のラリアットでしょ?彼の最後のラリアット、内藤哲也にできたんだよ?今、こんなに輝いてるレスラーはいないよ?そのレスラーにラリアットできたんだ。感謝しろよ」と内藤流の惜別のメッセージを送った。

 セレモニー前には、マシンのヒストリー映像が流れた。「プロレスにはナンバー2の存在が重要」とマシンが力説する場面が印象的だった。映像が終わると名曲「ハリケーンズ・バム」とともに、マシンが玉虫色のマスクを被って再登場し、引退セレモニーがスタートした。ゲストはマシン軍団の将軍KYワカマツ、カルガリーハリケーンズ、長州軍団、ブロンドアウトローズ。さらにレイジングスタッフでマシンと行動をともにしたヒロ斎藤、元UWFインターナショナルの垣原賢人、魔界倶楽部の筑前りょう太、村上和成、柴田勝頼、青義軍の永田裕志と井上亘も。次々にリングへ上がり、マシンへ花束を贈った。最後は新日本の本隊選手が全員登場。真壁が花束、KUSHIDAが功労金の目録をマシンに手渡した。

 マイクを渡されたマシンは、数々の軍団を渡り歩いたことを振り返るとストロングスタイルを貫いたこと、「みなさんの前でケジメをつけるために引退式を引き受けた」こと、「プロレス人生に悔いはない」こと、「コンディションを戻して第2の人生を見つける」目標などを赤裸々に語った。10カウント後に再びマイクを握ると、今年1月に他界した夫人に対して感謝の言葉を口にした。大きな拍手の中、「ハリケーンズバム」とともにリングを後にした。

 インタビューブースでは「この引退を決意した理由の一つとして、最後にリング上でも言いましたけど、妻の死がありました」としみじみ語る。「ちょうど契約が終わる6日前に、妻が逝ってしまったんですけども、そのダブルショックというか、精神的にかなり落ち込んでいた時期がありました。そういうのを吹っ切るためにも、会社が勧めてくれた引退式で、キッパリと気持ちを切り替えて、次の人生に行きたいと、そういう思いで決断いたしました」と引退セレモニーに臨んだ経緯を口にした。

 マシンは最後に「本当に、マスコミの方々も、ありがとうございました。マシンは今日で消えます。ありがとうございました」と頭を下げた。

 少し切なさが残ってしまった引退セレモニーだったが、これはこれで不器用な性格のマシンらしい終わり方だったとも言える。「小学校5年からプロレスのことしか考えてこなかった」マシンが一番印象に残っているのは、憧れだったアントニオ猪木戦だという。あの時マシンになっていなかったら間違いなく実現していないカードなだけに、思いも強いのだろう。

 私は“ある”選手と故・橋本真也さんのタッグも好きだった。これもマシンの物語の一部だったと思う。引退してしまったのは残念だが、歴史は永遠に残る。数々の感動を与えてくれたことに感謝したい。マシン引退により、新日本の現役最古参の座は獣神サンダー・ライガーに引き継がれた。

取材・文・カメラ / どら増田

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