今回のストは会社側が労組に対して提示した新賃金制度案が発端だと言われている。今年だけでも5月に2時間、今月1日に24時間、そして今回と、労使の妥結にはいたっていないようだ。もちろんストライキは労働者側の当然の権利として行使することは問題ない。ただ、この騒ぎを毎回冷やかな目で見ているのが、正規の職員の数分の1とも言われる給与で過酷な労働に耐えている制作会社の社員たちだ。「今までが明らかにもらいすぎ。ここまで強硬に戦っていると。世間から呆れられる。社員の方たちは新給与体系になっても、我々の何倍の給与をもらえるという事実に変更はない」(制作会社社員)
新聞社、出版社、テレビ局と今まで高給をもらうことができた業種も今は厳しい状況に立たされている現状があるが、「給与の下げ幅が極端だって憤慨する社員を見ましたが、制作会社へ払われるギャラの下げ幅の方が極端ではないのか。そこから我々の給与が払われているわけで…」(制作会社社員)
また、「ニュースで不景気だ、不景気だって報道しているが、今年に入って3回目スト。このペースは果たして世間の本当の不景気を、日テレは理解しているのかと思えてしまいます」(テレビ局関係者)
同様の問題はテレビ局の構造的な問題であり、他局も同じことが言える。製作費も社員の給与も削られようとしているテレビの世界はもはや、華やかな世界ではなくなってしまったのかもしれない。