海外ニュースサイト『GLOBAL TIMES』が、中国に住む59歳の男性の脳から10cmもの寄生虫が見つかったと8月19日に報じた。同記事によると、男性は、30年以上前から頭痛とめまいに悩んでいたという。頭痛の原因を突き止めようと、男性は中国の広州市の病院を訪れた。
病院での検査の結果、男性の脳に寄生虫がいることが判明。すぐさま手術が行われ、10センチもの透明な寄生虫が1匹、生きたまま摘出されたという。なお、8月22日時点でこの寄生虫の種類は明らかとなっていない。
男性が治療を受けた病院は、感染の原因は男性が川の水を飲んだか、または火を通さずにカエルやヘビを食したからとみているそうだ。
実際に男性も、「他の病院では、てんかん症状による頭痛とされていた。効果はなかったが薬も処方されていた。頭痛が始まったのは1989年からで、当時私は山奥の村で暮らしていた。生のカエルを食べたり、川の水を飲むのは普通のことだった」と同記事の取材に対し語っている。
なお、男性の頭痛は寄生虫が取り除かれた後、消えてなくなったという。
厚生労働省検疫所HPの「こんなに怖い寄生虫」の記事によると、脳に寄生する寄生虫は数多くいるという。記事内ではさまざまな寄生虫を紹介しており、注意喚起を行っている。
このニュースが世界に広がると、ネット上では「私も川で泳ぐし、頭痛持ちだ。まさか寄生虫が原因?自分も病院に行ってみよう」「カエルは食べないが、寿司とかは大丈夫なの?心配だ」「気持ち悪い!脳に虫が巣くうと聞いただけでもゾッとする」など恐怖の声が殺到した。
海外には、脳に巣くう寄生虫が原因で、頭痛に見舞われた人が他にもいる。
海外ニュースサイト『Daily Mail』は、中国に住む当時11歳の少年の脳から、寄生虫を摘出したと2014年11月に伝えた。同記事によると、少年は、過去に何度も頭痛に悩まされていたという。てんかん発作のような神経症状が出始めたため、中国の上海市にある総合病院を訪れたそうだ。
検査の結果、少年の脳内に寄生虫がいることが判明。即座に摘出手術が行われ、約8cmもの寄生虫が1匹、生きたまま少年の脳から摘出されたそうだ。
後の詳しい検査で、少年の脳に巣くっていた寄生虫は、サナダムシの一種であることが分かった。過熱不十分なカエルやヘビ、小型哺乳動物を食べることで感染するという。少年の父親によると、少年は外の屋台で食事を取ることが多かったそうで、ヘビを食べたと話す日もあったという。
同記事によれば、サナダムシがヒトの体内に入ると皮下組織に侵入し炎症を起こす弧虫症を発症するという。サナダムシは消化器官から侵入して、血流豊富な脳に好んで巣くうそうだ。また、目に住み着くこともあるという。放置すると、脳に深刻な損傷を与え、最悪の場合、死に至ることもあるという。
寄生虫感染を防ぐためには、火の通っていない肉は食べない、不衛生な場所での食事は控えるなどの心がけが必要だ。
記事内の引用について
10cm worm removed from man’s skull(GLOBAL TIMESより)
http://www.globaltimes.cn/content/1161911.shtml
Surgeons remove three inch parasitic worm from 11-year-old boy's brain after discovering it had been moving around in his skull (Daily Mailより)
https://www.dailymail.co.uk/news/article-2851941/Surgeons-remove-parasitic-worm-11-year-old-boy-s-brain-discovering-moving-skull.html
厚生労働省検疫所の「こんなに怖い寄生虫」より
https://www.forth.go.jp/useful/attention/08.html