同作が昨年12月、日テレの開局65年を記念して制作・放映された時は、速水もこみちの大人気料理コーナー「MOCO'Sキッチン」が休止されたため、風当たりが強かった。ところが、フタを開けてみればスマッシュヒット。第2弾が制作されるに至った。
そもそもバカリズムは、芸人が一目置く芸人。多忙になってもネタ作り、単独ライブを欠かさないからだ。執筆業、役者に加えて、MCを務める音楽番組『バズリズム02』(日テレ系)では、大型フェス“バズリズムLIVE”を開催。秦基博、いきものがかり・水野良樹、大原櫻子、フジファブリックらと手を組んで、オリジナルソングを制作・配信している。
さらにここへきて、かつては「負の遺産」と揶揄されたアイドル育成が功を奏している。スポーツ新聞の芸能記者は言う。
「朝日奈央さんです。モデルからアイドルに転向した彼女は、フジテレビが“第二のおニャン子クラブ”をめざして立ち上げた女性アイドルグループ『アイドリング!!!』の2期生。グループ名を有したレギュラー番組を抱えていましたが、およそ9年間の活動期間で売れたのは菊地亜美だけ。MCのバカリズムにとっては黒歴史でしたが、解散・番組終了からおよそ2年後、朝日が狂い咲き。バカリズムの溜飲が下がったことでしょう」
10円玉を目や鼻の穴に入れたり、おっさん4人が入浴した温泉の湯を飲んだりして、「NGなしアイドル」をみずから喧伝した朝日。菊地に水を開けられたうえ、バカリズムの鬼教官ぶりをモロに受け、本番中、控室など所かまわず40、50回は泣いたという。
10代のアイドルにバカリズムは鉄拳制裁を続け、「女の涙は我慢汁。普通は泣いたらやめるけど、俺はやめない」とクールに言い放った。プライベートを共にすることはなく、カメラが回っていないところでは対話なし。バカリズムのドSは徹底していた。
朝日はおよそ2年前、テレビ東京系『ゴッドタン』でバラエティタレントとして開花。同時期、同じ境遇でチャンスをつかんだのは野呂佳代だ。元AKB48、元SDN48の野呂も卒業後に迷走したが、『ゴッドタン』でポンコツながらも全力投球のキャラが覚醒。本番中、所属する太田プロダクションの大先輩・劇団ひとりからマジ説教を食らって号泣したところまで、朝日と同じだ。
鬼芸人のウラに迷走する元アイドルあり。新手の売れ方かもしれない。
(伊藤由華)