「僕と上司、取引先の会社の人と数人で飲みに行く機会があったんですね。僕はビールの味が好きではないので、最初からハイボールを注文。周りの人たちは瓶ビールを飲んでいました。
その会は滞りなく終わったんですが、後で上司に“あれじゃダメだ”注意されました。“1杯目ぐらいはビールにしろ”と言われ、“俺はいいけど取引先の人たちにはビールを注げ”と説教を受けました。そして、“俺がビールの注ぎ方を教えてやる”と言われたんです」
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そこから頻繁に上司に飲みに誘われるようになり、アルハラではないかとも思ったが、ビールの注ぎ方の指導を受けたそう。そして、事態は意外な展開を迎える。
「面倒臭いと思いながらも、上司から指導を受けました。まず“ビールがコップからなくならないうちに注げ”と言うことでした。注ぐ際は、ひと言声を掛けること。もちろん瓶は両手で持ち、ラベルは上に向けた方がキレイだと。瓶の口はコップにあてないようにする…など、たくさんの指導を受けました。
そして、僕はビールの注ぎ方を完璧にマスター。上司を飲ませるのも上手くなりました。でもある時、出勤してきた上司が足を引きずっているのを見ました。なんと、痛風になってしまったのです。それから以前のように、取引先の会社の人たちと飲みに行く機会があったんですが、上司は1杯目からハイボールを飲んでいました」
お酌をする機会も減ってはいるが、そういう状況もなくはない。実際に指導を受けた彼も、「教わったことは役に立っている」とのこと。上司は健康を害してしまったが、その行動は無駄ではなかったと言えるだろう。
写真・an.difal