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「おぐらが斬る!」世界の歴史を変えたイエス・キリストってちょっと困った人だった

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人類にもっとも大きな影響を与えた人物は、おそらくイエス・キリストであろう。イエスがいなければ、資本主義も産業革命も、社会主義も生まれなかったはずだ。

そんなイエス・キリストだが、福音書を読んでみると、彼は意外と癖のある人物のようなのだ。

例えば新約聖書のマタイ21章18~19節に、お腹が空いたイエスが、いちじくの木を見つけ近づくと、残念ながら実が成っていない。それが気に入らなかったのか、イエスは超能力を使って木を枯らしてしまったことが書かれている。

同じ場面を描いたものがマルコ11章12~13節にもあって、実が成っていなかったのは「いちじくの季節ではなかったから」と、書いている。それならば・・・ 愛を説くイエス様であれば、枯らすのではなく、実らせばいいのにと思うのは筆者だけではあるまい。せめて枯らさなければ、実る季節がくれば、誰かが食べられるのだ。

いまや信者数22憶人と、世界一信者が多いキリスト教だが、マタイ10章5~7節によると、イエスはイスラエル(ユダヤ)人以外に伝道するなと教えている。

マタイ15章によると、異民族の母親が「娘が悪霊に憑かれているから助けてほしい」とすがって来ると、イエスは、「子供たち(イスラエル人)のパンを取って小犬(異民族の母親)に投げてやるのはよくない」と、イエスは異民族など救う気がないと言っていたほどだ。

それでも、母親がしつこく追いすがってくるので、ようやく悪霊を祓うシーンもある。

さて、それでもイエスの死後、弟子のペテロやパウロは、イエスの教えを破り異民族に布教しだすのである。特にパウロは、かなりイエスの教えを曲げていて、そのため「この宗教はパウロ教と呼ぶべき」と言う宗教学者がいるくらいなのだ。

マルコ5章に悪霊に取り憑かれた男をイエスがその悪霊を祓う話がある。近くに豚2千頭ほど飼っているところがあり、イエスが男から悪霊を祓うと、悪霊は2千頭の豚に取り憑き、崖から海に飛び込んですべて死んでしまう。

いくらユダヤ教が豚を穢れた動物として忌み嫌っているとしても、2千頭の被害金額はいかほどだろう? もちろん聖書には、イエスが弁償したなどという話は出てこない。

やがてイエスは、十字架の上で処刑される。さてそのときだ。マタイ50章52~53節によると、「墓が開け、眠っている多くの聖徒たちの死体が生き返った。そしてイエスの復活ののち、墓から出てきて、聖なる都にはいり、多くの人に現れた」とある。

イエスは処刑の3日後に墓から復活するのだが、他の死体たちも墓からよみがえって都に入っていくのだ。まるでゾンビのように。

イエス自身、復活したとき、自分が本物であることを証明するために、弟子に処刑の傷を見せたり触らせたりしている。ということは、このとき生き返った人たちも、事故に遭って亡くなっていたらケガしたまま蘇ったのであろうし、腐敗の具合はどうだったのだろうなどと、余計なことを考えてしまう。

そしてキリスト教というローカルなカルト宗教が、ローマをはじめ西洋に入り込み、やがて世界中を侵略する道具として使われるなど、イエス・キリストは夢にも思わなかったことであろう。

プロフィール

巨椋修(おぐらおさむ)
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、42歳で映画監督。社会問題、歴史、宗教、政治、経済についての執筆が多い。
2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。陽明門護身拳法5段。

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