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藤浪晋太郎、大谷翔平との投げ合いで課題を痛感? 日本とは違うゾーン・ルールに苦戦か

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藤浪晋太郎(写真は阪神時代)

 時間にして40分ほど、投球数はともに40球にも満たなかった。日本時間3月1日午前5時を少し過ぎたころ、エンゼルス・大谷翔平投手とアスレチックス・藤浪晋太郎投手の投げ合いが始まり、ともに無失点で幕を閉じた。

 両者の対決は2014年の球宴以来であり、日本のファンも楽しみにしていたはず。見応えもあった。しかし、「両投手の現在地」の違いを明らかにさせた一戦ともなった。

 >>前阪神・藤浪、マウンド上で監督批判?「誰が責任とんねん」物議醸した“さらし投げ”の裏話、先輩が暴露<<

 「この日の大谷の課題は『ピッチクロック』。投球間の時間を制限する新ルールに適応できるかどうかです。キャンプ中に取り組んできた対応策を実戦で試すことでした」(米国人ライター)

 大谷はすでに開幕投手に内定している。「実戦で試す」の情報の通り、結果を求める必要はなかった。

 それに対し、藤浪には“好奇の目”も寄せられていた。入団会見で「大谷の同期で、元ライバル」「潜在能力は高い」と紹介されていた。その後、チームは経営的事情もあって、主戦級の投手を放出。「藤浪がいきなり開幕投手を務めることに?」との一報も出て、

 「どんなピッチャーなんだ?」

 と、米国の野球ファンは同日の試合を観ていたそうだ。

 「ブルペンで50球以上は投げ込んでから、マウンドに向かいました。球場にも3時間以上前に来て、ランニングやストレッチをやって、キャッチボールでも強めのボールをガンガン放っていました」(現地メディア)

 阪神時代のルーティンである。「これまで通り」でマウンドには上がれたようだが、それが裏目に出てしまったのは2回。先頭打者から3連続四球である。

 「日本とは感触が異なるMLB球のせいではないと思います。藤浪が米球界挑戦の意向を表明して以来、ずっとMLB球で練習してきましたから」(NPB関係者)

 初回は走者こそ出したものの、2三振を奪う好投だった。2回は満塁となった後、三振、併殺打でゼロに抑えたが、突如、コントロールを乱した原因はどこにあるのか…。

 「MLBのマウンドは日本よりも硬く、スパイクの歯が刺さりにくいとされています」(前出・現地メディア)

 現地入りした先の米国人ライターによれば、その影響は感じられなかったそうだ。

 「MLBでは自軍の攻撃中、ベンチ前でキャッチボールをするのは禁止とされています。日本ではベンチ前でキャッチボールをしてからマウンドに行き、さらに規定の練習投球数も投げていますが」(前出・関係者)

 2イニング目にコントロールが乱れたのは、そのせいではないだろうか。

 MLBの先発投手は自軍の攻撃中、トレーニング器具やチューブなどを使って肩を動かしているそうだ。おそらく、藤浪もベンチ前のキャッチボールに代わる新ルーティンを模索している最中なのだろう。

 オープン戦初マウンドは、2回被安打1四球3奪三振3。合格点ではあるが、次回の課題も明らかになった。

 外角に広いMLBのストライクゾーンを把握できていないとの情報も聞かれた。淡々と投げ込む大谷と、メジャーリーグ一年生の藤浪。現在地は大きく異なるが、楽しそうに投げていた。米国のファンも長い眼で見てやってほしい。(スポーツライター・飯山満)

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