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「競馬ブーム」前夜、競馬ファンの中学生177人が補導されていた【衝撃の未成年犯罪事件簿】

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 1973年(昭和48年)、競走馬「ハイセイコー」の活躍を契機に日本で「競馬ブーム」が巻き起こったとされる。それまでは「中年男性の娯楽」とされていた競馬が、女性の間でも静かなブームになっていたほか、2年後の1975年(昭和50年)には年間観客動員数が約1500万人を記録した。

 1973年の競馬ブームは俗に「第一次競馬ブーム」と呼ばれているが、ブーム前夜の1971年(昭和46年)には馬券購入を巡って中学生延べ177人が補導される事件が発生した。当時の新聞によると、1971年5月~6月にかけて東京都内の中学校に通う男子計177人が競馬場で法律上、買えないはずの馬券を買い補導されたという。多くは不良グループによる購入で、都内の中学校に通う生徒たちが購入していたという。

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 購入までの手口は実にシンプルであった。彼らは日本ダービーなどで多くの人が集まる競馬場へ行き、馬券を求める大人達に交じり馬券を購入していたのだという。競馬ブーム前夜の競馬場は、場内に収まり切れないほどに人の数が多く、馬券売り場も相手が未成年なのかどうかは特にチェックせずに売っていたのだという。この事実は当然問題となり、一部競馬場ではさらに厳しい年齢チェックが行われるようになったようだ。中学生でも買える競馬場の情報はすぐに都内の中学生の間で回り、日曜には多くの中学生が馬券を買い求めていたという。

 なお、当時の一部の不良中学生の間で競馬熱はかなり熱く、「一攫千金を狙う」というギャンブラータイプ以外にも、「生徒手帳にはレースの日程を書き込む」「競馬新聞の切り抜きを保管する」「元騎手志望の同級生に会いに行く」など熱心に競馬を学んだガリ勉タイプの生徒も少なくなかったようだ。

 競馬ブームは1970年代後半以降もしばらく続いたが、その中には法律を犯してまで馬券を買い求めていた「元・競馬少年」の姿も多かったのではないだろうか。

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