11日に行われた紅白戦では2021年ドラフト1位・小園健太が先発し1イニング無失点。次には昨年開幕ローテーションをつかみながらも結果的にはシーズン未勝利に終わった坂本裕哉が、さらに一回り大きくなった体躯から力強いストレートを軸に3回を無失点。初回にホープ・森敬斗に頭部デッドボールを与え、動揺してもおかしくない場面がありながらも、その後落ち着いてピッチングでき、着実な成長の跡を見せた。
また上茶谷大河も3回を無失点と好投。去年よりダイナミックになったフォームからキレのあるストレートを投げ込む姿は、背番号27のレジェンド・平松政次氏をほうふつとさせるほどの迫力も感じさせた。
後を受けた平良拳太郎も2回1失点ながらも内容は上々。今シーズンはトミー・ジョン手術からの完全復活を期待しても良さそうだ。
12日の今シーズン初の対外試合でも、大型右腕・阪口皓亮が3回を1失点と粘りのピッチングを披露。昨年未勝利の悔しいシーズンからのリベンジを果たすべく、アピールを続けている。
昨年のベイスターズのローテーションは、エース今永昇太と安定度抜群の大貫晋一、濱口遥大と石田健大の左腕コンビ、後半は新外国人のロバート・ガゼルマンが中心となっていた。しかし今シーズンはWBCの招集で今永は開幕ローテーションが微妙な状況で、ガゼルマンはまさかのパスポート盗難で未だ来日できていない。
最大3枚空いている開幕ローテーションの座を狙うサバイバルレース。昨年だけではなく、長年ブルペン陣の活躍がチームを支えているポイントを鑑みても、先発陣のレベルアップは必須。首脳陣が嬉しい悩みを抱えるほどのチーム内競争が繰り広げられれば、おのずと優勝も見えてくる。
文・取材・写真 / 萩原孝弘