政治家の年金未納問題は、定期的に取り沙汰されるスキャンダルだ。特に政治家の知名度が高いほど、注目を集めやすいと言える。
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国会中を巻き込む事態となったのが、2004年4月に巻き起こった騒動だろう。当時は小泉純一郎氏が総理大臣だったが、小泉内閣のうち経済産業大臣の中川昭一氏、総務大臣の麻生太郎氏、防衛庁長官の石破茂氏の3名の年金未納が発覚した(肩書は当時)。いずれも知名度の高い政治家であり、さらに現職の閣僚とあって大きなスキャンダルとなった。これに対し、野党第一党の民主党代表だった菅直人氏は、当時のヒット曲である「だんご3兄弟」になぞらえて「未納三兄弟」と舌鋒鋭く批判した。
しかし、間もなく当の菅氏自身にも1996年1月から10月までの10か月間にわたって年金を納めていないことが発覚する。この時期に菅氏は厚生省(現・厚生労働省)の大臣を務めていた。同省は年金を始めとする社会保険事業を取り扱っているだけに、なんともシャレにならない結果となってしまった。
これは、意図的に未納だったわけではなく、脱退と加入の手続きを間違える行政上のミスであったが、菅氏が批判した3名も同様のケースと言えるだけに、強い批判を集めてしまった。言わば、相手に向かって投げかけた批判がそのまま自分に跳ね返って来るブーメランとなってしまった。
政治家の年金未加入問題は、相手を批判するにあたって攻めやすいポイントだと言えるが、場合によっては自分側に跳ね返ってくることもある問題だと言えるだろう。