そんなコンパスが凶器に使われた暴力事件が発生したのは、1985年(昭和60年)の事である。
群馬県某市で友人3人に大怪我をさせたとして、15歳の中学3年生の少女が傷害及び暴行の容疑で書類送検される事件があった。凶器に使われたのはコンパスの針部分で、この少女は授業中に自分の前に座っていた友人の背中を百回に渡り刺し続けていたという。刺された側の少女は命に別条はなかったが、背中が血だらけになっており、5日~1週間ほどの怪我を負ってしまったという。
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このコンパス事件だが、元々は危害を加えた少女=A子は頻繁に家出するなど、問題行動のあった生徒だったという。
ある日、A子は2時間目に行われた体育の授業を面倒に感じ、サボってしまった。担当教師からA子の行方を聞かれたB子は、「A子は朝はいた」と正直に話したところ、A子は教師に見つかってしまい叱られてしまった。告げ口をされた事を恨んだA子は手前に座っていたB子の背中を授業中にコンパスで刺した上、殴る蹴るの暴行を加えたという。
また、A子はそれだけでは腹の虫がおさまらなかったのか、コンパスで刺していた所を見ていた生徒2人を「ガンを付けた」という言いがかりで襲い、同じくコンパスで背中を刺したほか、身体を殴り同じく数日間の怪我を負わせたという
教師は授業中に暴力事件があった事には気が付いておらず、事件の発生した中学校の校長は「今後は授業中の巡視指導にも力を入れていきたい」と話したという。