「彼はビールをよく飲むんですね。しかも、グビグビとすごい勢いで飲むんです。“のど越しが好きなんだ”と言っていました。
彼は、食べものもすぐに飲み込むんです。1~2回噛んだだけで飲み込む。それもまた、“のどを通る瞬間が好き”だからなんだと…。
>>手足の自由を奪われて~女がドン引く瞬間~<<
ある時、一緒に食事に出かけ、エビフライを食べたことがありました。彼はそこでもあまり噛まず、頭からかぶりついて飲み込んでいました。すると、しばらくして彼の口数が減ったんですね。どうしたのかと思い様子を窺うと、赤い顔をして“うぐぐっ…”と唸っていました。なんと、エビのヒゲか足かが、喉に突き刺さってしまったのです」
急いで病院に行き、突き刺さったものを抜いてもらったそう。そんな危険な目に遭いながらも、彼は相変わらず食べものをすぐ飲み込んでいたのだが…。
「彼のこの癖を、なんとかやめさせないと命が危ないと思いました。そこで、私はあえて少し危険な目に遭わせることに…。荒療治ですね。
ある日、うどんを作って、その上にお餅を乗せて力うどんにして彼に出しました。そのお餅に、少し大きめのものを使ったんです。すると案の定、彼は餅を飲み込み、のどに詰まらせました。でも、すぐに出て来るだろうと思ったんですが、なかなか出て来なかったんです。彼の顔が、赤からだんだん青に変わってきました。急いで救急車を呼ぼうとした時、カホッと餅が飛び出してきました。危なかった…。でも、おかげで彼は、そこから食べものをよく噛むようになりました」
彼女は危うく、彼を殺してしまうところだった。のど越しで感じるのもいいが、もっと味の分かる男になるべきだ。
写真・Sean Kelleher